【不貞慰謝料】W不倫(ダブル不倫)の四者関係を整理する
パパ活をきっかけとした金銭トラブルは少なくなく、関係を解消した後に思わぬ形で被害が続くケースもあります。今回は、パパ活相手にクレジットカードを渡していたところ、関係解消後もカードを無断で使用され続けたという事案をご紹介します。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼者 | Aさん(男性・40代) |
| 相手方 | Bさん(女性) |
| 関係 | 数か月間のパパ活関係(解消済み) |
| トラブルの内容 | 関係解消後もクレジットカードを無断で使用され続けた |
| ご相談の経緯 | 警察への被害相談では介入してもらえず、弊所にご依頼 |
ご依頼に至る経緯
パパ活関係とその解消
Aさんは、Bさんとパパ活の関係にあり、月30万円を手当として渡すほか、クレジットカードを預け、月10万円までは利用してよいと伝えていました。カードを使った際には都度報告するよう求めていましたが、報告がないことや、上限を超えて利用することもあったようです。
Aさんは、こうしたBさんの浪費傾向に思うところがあり、パパ活関係の解消を申し入れました。すると、Bさんから、恨みの言葉が連ねられた手紙が届き、Aさんは強い衝撃を受けました。以後、Bさんとの連絡を避けるようになりました。
身に覚えのない決済の発覚
その後、Bさんからの連絡は途絶えましたが、以前Bさんも使用していたクレジットカードについて、月5万円から10万円程度の身に覚えのない決済が見られるようになりました。Aさんは、おそらくBさんが何らかの方法でカードを使用しているのではないかと考えたものの、Bさんからの反応を恐れ、直接連絡することができずにいました。
しかし、利用額は次第に増え、最終的には月に数十万円規模となったため、これ以上放置できないと考え、弊所にご相談にいらっしゃいました。
弁護士の対応と解決への流れ
事実関係の確認
Aさんから、これまでの経緯を時系列で伺いました。Aさんは既婚者でしたが、その事実はBさんに当初から伝えていたとのことでした。また、パパ活関係の中で特段のトラブルはなく、関係は一方的に解消したものの、Bさんが不快に感じるような行為はしていないとのことでした。
カードの利用履歴を確認したところ、衣類や雑貨のほか、あるスクールの受講料が決済されており、内容からBさんによる利用である可能性が高いと考えられました。もっとも、Bさんについて分かっている情報は、本人が名乗っていた氏名と、現在は使われていない電話番号のみでした。
Aさんとしては、これ以上のカード利用は防ぎたいこと、関係解消後に利用された金額については返金を求めたいこと、そのうえで一切の関係を解消したいという意向をお持ちでした。ただし、解消後に届いた手紙のこともあり、Bさんへの直接連絡には強い不安を感じているとのことでしたので、弊所で対応をお引き受けすることになりました。
警察への相談
まず、Aさんには最寄りの警察署へ被害相談に行くようお伝えしました。しかし、Bさんが利用したことを証拠上確実にいえる状況ではないとの判断から、警察による介入は難しいとのことでした。
相手方の身元調査
そこで、Bさんの携帯電話番号をもとに契約者情報を調査し、氏名や住所を把握したうえで、住民票を取得してBさんの身元を確認するところから対応を始めました。住民票の記載は、Bさんが名乗っていた氏名やおおよその年齢と合致していたため、当該住所地に宛てて書面を送付しました。
この段階ではBさんがカードを使用しているとの確証はなかったため、書面には、Aさんのクレジットカードで購入された物品がBさんの住所に送られている事実、既に警察へ被害相談をしている旨、心当たりがあれば連絡してほしい旨を記載するにとどめました。
書面がBさん宅に届いたことは確認できたものの、しばらく連絡はありませんでした。未確定の支払がこのまま確定してしまうおそれがあったため、Bさん宅を直接訪問し、不在であったことからポストに書面を投函しました。ほどなくして、Bさん本人から弊所に電話で連絡がありました。
相手方との交渉と解決
Bさんに事情を確認したところ、パパ活関係の解消後もAさんのクレジットカードを利用していたことを認めました。弊所からは、今後一切カードを利用しないこと、未確定の決済については速やかにキャンセル手続をすることを求めました。また、キャンセルができないものについては、利用した金額を支払うよう求めました。
その結果、無断利用の大部分はキャンセル処理ができましたが、一部は支払が確定してしまっていました。Bさんに確定分の支払が可能か確認したところ、収入がほとんどなく困難とのことでした。
Aさんに改めて意向を確認したところ、分割での返金を受ける形になるとBさんとの接点が長期化することを避けたいこと、大部分のキャンセルが完了した以上、この時点で終わりにしたいとのご意向でした。
そこで、念のためBさんから、Aさんのクレジットカードを無断で使用し経済的な損害を与えたこと、及び今後Aさんに一切連絡をしないことを約する誓約書を差し入れてもらったうえで、終件となりました。
解決結果と弁護士のコメント
いわゆるパパ活をめぐる関係では法的なトラブルに発展することが少なくなく、弊所でも多くのご相談・ご依頼をいただいています。マッチングアプリやSNSで知り合った相手の場合、身元に関する情報がほとんどなく、弁護士による調査でも相手を特定できないことがあります。また、相手の身元が分かる場合であっても、性的な関係を伴うパパ活においては、対価として支払ったお金の取り戻しは難しく、逆に、支払われなかったお金を請求することも容易ではありません。パパ活は、トラブルに発展しやすく、事後的な解決が難しい類型であるといえます。
本件では、相手方の電話番号が判明していたことから、調査のうえで身元を把握することができました。最近では通話を含めSNSのメッセージのみでやり取りが完結することも多く、この場合には弁護士による調査でも相手の身元特定が難しいことに注意が必要です。なお、本件のように相手が現在は使用していない電話番号であっても、使用していた時期がある程度特定できれば、契約時の氏名や住所といった契約者情報を取得できることがあります。
パパ活に限らず、個人間でのやり取りにおいては、万が一のトラブルに備え、相手の連絡先(できれば電話番号)を把握しておくことが望ましいといえます。
同種のトラブルでお悩みの方へ
パパ活関係の解消をめぐるトラブルや、相手方の身元が分からない中での金銭被害でお困りの方は、一人で抱え込まず、早めに弁護士へご相談ください。状況によって対応の可否や見通しは異なりますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。


