【解決事例】同棲解消に伴う建物明渡・家財処分のトラブル|弁護士の介入により不当な請求を拒絶し円満に明渡しを実現した事例
ご相談前の状況
依頼者:40代女性(風俗店経営)
トラブル内容:交際解消に伴い共同経営の事業の所有権争いが表面化
キャスト引き抜きについて高額の損害賠償を受ける可能性があった
依頼者の女性は、交際相手の男性(B氏)と共同で風俗店を経営していました。元々は女性が単独で立ち上げた事業でしたが、B氏が手伝う中で代表者へ就任し、順調に事業規模を拡大させていました。
しかし、交際関係の悪化に伴い別れることとなり、女性は事業からの離脱をB氏へ求めましたが、B氏は拒絶いたしました。そこで女性は自身がスカウト・採用してきた所属キャストとともに、同一商圏内で新たな事業の立ち上げを模索し始めます。
これに対し、B氏は女性の動きを察知すると、所属キャストへ退職しないよう圧力をかけ、「退店して同商圏・同業種に従事した場合は高額な賠償金を支払う」旨の誓約書を作成させました。
B氏は半グレと交友関係があり、脅迫めいた言動を繰り返していたことから、直接の話し合いは不可能な状態へ陥っていました。このままでは事業を乗っ取られたうえ自身での再スタートも妨害されると危絶した女性は、事態の打開を求めて当事務所へご相談にお越しになりました。
弁護士による初期対応と解決までのプロセス
弁護士が事実関係を分析したところ、B氏がすでに代表権を確保していたため、法的に既存事業を取り戻すことは困難であると判明いたしました。また、キャストを伴った新事業立ち上げは、引き抜き行為や競業避止義務違反としてB氏側から損害賠償請求を受けるリスクを孕んでいました。
弁護士が打開の糸口を探るため過去の交際経緯を詳細にヒアリングしたところ、借用書はないもののLINE等のメッセージ履歴から立証可能な「1,000万円を超えるB氏への貸付金」が存在することが発覚いたしました。
そこで弁護士は、女性が保有する1,000万円超の貸金返還請求権を交渉材料として活用する戦略を提示いたしました。「女性が1,000万円超の債権を放棄する代わりに、B氏側もキャスト全員の退店・同一商圏での新事業立ち上げに対するいかなる損害賠償請求も行わない」という一括示談案です。
B氏との直接対峙による物理的リスクを避けるため、弁護士は呼び出されていたキャストC氏の面談現場(喫茶店)へ同行・介入いたしました。B氏に対し、女性および所属キャスト全員の代理人に就任した旨を通告し、本人たちへの直接連絡を遮断いたしました。
その後、B氏側が選任した代理人弁護士との協議へ移行しました。B氏側は当初キャストの流出や競業展開へ難色を示したものの、弁護士より「協議が不成立となってもキャストは全員退職する姿勢であること」「損害賠償訴訟に発展した場合、当方も1,000万円超の貸金返還請求を進めること」を伝え、早期和解の経済的メリットを説明いたしました。
結果としてB氏側も長期的紛争の不利益を悟り、当方の提示した案を全面的に受け入れました。
当事者間およびキャスト全員を対象とした合意書を締結し、無事に新店舗の営業を開始・終件となりました。
解決の成果
・事業分離・独立:不当な妨害や脅迫を受けることなく、キャストを伴った新店舗の立ち上げ・独立を達成
・法的リスクの回避:キャスト引き抜き・競業避止違反に基づく損害賠償請求のリスクを遮断
・安全確保:半グレと交友のある相手方による当事者およびキャストへの圧力を停止
弁護士からのアドバイス
男女間の個人的な関係解消に、共同事業の清算が関係するトラブルは複雑化・長期化しやすい傾向にあります。
事業の清算のみならず、感情的な対立が影響を及ぼすことが理由です。
当事者の話し合いでは冷静な整理が難しい場合もございますので、早い段階で弁護士にご相談いただくのが良いかと思います。


