「警察から電話が来た」|折り返す前に確認したい3つのこと
ご相談前の状況
依頼者:50代男性(教育関係職)
トラブル内容:温浴施設内での同性に対するわいせつ行為をしてしまい、警察が介入した
依頼者の男性は、出張時、宿泊費を抑えつつ疲労回復を図れる利便性から、頻繁に温浴施設(スーパー銭湯)の仮眠室を利用されていました。
問題が発生した当日も入浴後に仮眠室へと移動し、多数のリクライニングチェアが配置された薄暗い室内で、ある男性利用者の隣の席を選択しました。
未明になり、隣の男性が熟睡していると思い込んだ依頼者は、発覚しないだろうという安易な判断から、衣服の上から相手男性の下半身を触る行為に及んでしまいました。
しかし、違和感を覚えた被害男性が目を覚まし、その場で警察に通報される事態となりました。
大事になってしまったことで混乱状態に陥った依頼者は、警察官の到着を待つ僅かな時間の間にスマートフォンで法律事務所を捜索し、当事務所へ相談のお電話をかけてこられました。
弁護士による初期対応と解決までのプロセス
早朝であったものの、警察がまさに現場へ向かっているという切迫した状況を踏まえ、弁護士は直ちに現場の温浴施設へ急行いたしました。
移動中の車内から電話で事実関係のヒアリングを進めつつ、被害男性とも直接話をしました。当時、被害男性の処罰感情は極めて強く、「厳しい処罰」を望んでおりました。
弁護士が現場に到着した時点で、すでに警察官による事情の聴取が始まっていました。依頼者は警察の臨場や勤務先・出張への影響を懸念して混乱をしておりました。
そこで弁護士は、手続きの流れを説明して冷静さを取り戻していただくとともに、今後のすべての交渉・連絡窓口を弁護士へ一本化することを提案し、正式なご依頼をお受けしました。
依頼者が素直に事実を認めて詳細を警察へ説明したこと、また弁護士が介入して誠実に対応する姿勢を示したことで、過熱していた被害男性の態度にも変化が見られました。被害男性側も「法的な手続きや無用なトラブルを避け、確実な謝罪と適切な賠償がなされるのであれば大ごとにしたくはない」という意向へ軟化したため、当事者間での話し合いによる解決を目指す方針が固まりました。
依頼者には予定通り仕事へ復帰していただき、弁護士が代理人として被害男性との示談交渉に着手しました。当初、相手方からは被害感情の大きさから非常に高額な解決金(数百万円規模)の請求がなされましたが、感情的な対立を回避しつつ、依頼者の意向や一般的な示談相場を踏まえた慎重な交渉を重ねました。
粘り強い協議の結果、当初提示された額から大幅な減額による示談金で合意を取り付けることに成功しました。合意書には、事件内容の第三者への口外禁止(SNS等での拡散防止)および被害届の提出見送り・処罰を望まない旨の条項を明記し、終件となりました。
解決の成果
・被害者からの要求金額:当初数百万円の請求から適切な金額へ減額して示談成立
・刑事処分の結果:被害届提出の回避(逮捕回避)
・社会的影響:勤務先や家族へ発覚することなく完全解決
弁護士からのアドバイス
出張先や旅先での不祥事は、慣れない土地柄に加え、「すぐに仕事や移動へ戻らなければならない」という時間的制約があるため、ご自身での対処が困難な場合があります。
また、被害者側も相手が遠方居住者である場合、「逃亡されるのではないか」「連絡が取れなくなるのではないか」という不信感を抱きがちです。そのため、身分証の提示や連絡先の開示、あるいは解決金の即時支払いを求められることもあります。
本件においては、トラブル発生直後の段階で弁護士が現場へ駆けつけ、交渉の窓口を引き取ったことが早期解決の要因となりました。弁護士が速やかに介入することで被害者に安心感を与えられ、依頼者ご本人は速やかに仕事へ復帰することが可能となりました。
性加害に関わるトラブルでは、当事者間の直接交渉は感情的なこじれを生み、事態を悪化させる危険を孕んでいます。万が一、不祥事や警察介入の事態に直面された際は、自己判断で合意せず、速やかに弁護士へご相談いただくことを強く推奨いたします。


