商標の出願中から登録までの間でできること。
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
商標法4条1項8号には、
「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名
若しくはこれらの著名な略称を含む商標（その他人の承諾を得ているものを除く。）」
と規定されています。
例えば、株式会社プロシードが商標登録されている場合、
プロシードで商標出願したらどうなるでしょう？
プロシードが、株式会社プロシードの名称（他人の名称）に該当すると、
4条1項8号で拒絶されます。
しかし、プロシードが「他人の名称の略称」に該当した場合、
著名でなければ、同号では拒絶されません。
これが問題になった事件が、「月の友の会」事件です。
最高裁では、以下のように判断されました。
「株式会社の商号は商標法四条一項八号にいう「他人の名称」に該当し、
株式会社 の商号から株式会社なる文字を除いた部分は同号にいう
「他人の名称の略称」に該当するものと解すべきであつて、
登録を受けようとする商標が他人たる株式会社の商号から株式会社なる
文字を除いた略称を含むものである場合には、その商標は、 右略称が
他人たる株式会社を表示するものとして「著名」であるときに限り登録を
受けることができないものと解するのが相当である。」
つまり、プロシードは、株式会社プロシードの略称として扱われるということになります。
参考：昭和57(行ツ)15審決取消商標権行政訴訟
商標・意匠・不正競争判例百選〔第2版〕 (別冊ジュリスト)
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弁理士 鈴木康介（特定侵害訴訟代理権付記）
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