エーザイの価値創造レポートが面白い。

プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。

Twitterで話題になっていたので、
エーザイの価値創造レポートを読んでみました。

100弱のESGのKPIについて約10年間のデータサンプルを集め、
遅延浸透効果を考慮しながら、PBRへの影響をみたそうです。

エーザイの場合、人件費投入を1割増やすと、5年後のPBRが13.8％上昇し、
研究開発費を1割増やすと、10年後のPBRが8.2％上昇し、
女性管理比率を1割改善すると、7年後のPBRが2.4％上昇し、
育児時短勤務制度の利用者を1割増やすと、9年後のPBRが3.3％上昇するなどと
各種指標のうち、効果が高いものをピックアップしていました。

同種のモデルをTOPIX100に属する企業でも分析したところ、
人件費や研究開発費の1割の増加が、7年後のPBRを3％増加させるという結果だったそうです。

エーザイの投資のうまさが光りますね。

特許権や商標権などは非財務資本でなかなかその価値を測るのは難しいですが、
エーザイの行った研究のように、投下した知財費用、遅延浸透効果を加味して、
PBRへの影響を見たら面白いと思いました。

最初のうちは荒く知財部の年間予算を知財費用として、
計算してみたらどうでしょうか？

これで知財費用の増加がPBRの増加に有意に影響を与えている研究結果がでるとよいですね。

参考：価値創造レポート

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弁理士　鈴木康介（特定侵害訴訟代理権付記）
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