詐欺ショートメールが来ました。
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
経済安全保障を担当する閣僚ポストが作られるようです。
近年、米国などを初め、経済安全保障が問題となっていると
言われています。
この経済安全保障は、多くの場合、
日本の先端技術が海外に流出するのが問題であるという文脈で
報道されることが多いです。
(公安調査庁もこのような文脈で説明しているように感じます)
調べてみると経済安全保障は、定義が曖昧で幅広い意味で使われています。
例えば、米国の経済安全保障政策の事例としては、
我が国に対するFSXや半導体に対する対応が挙げられます。
米国は、FSXに対しては日米安全保障条約体制における共同運用を
阻害するという旨を言っていましたが、
貿易不均衡の是正や、米国の航空機産業に対する
産業政策という一面もあったと言われています。
また、半導体産業に対しては、
「日本製の半導体が米国の戦略ミサイルに使用されていると国防
の自立性が維持できなくなる」と主張し、
日米半導体協定を締結し、日本の半導体業界に
ダメージを与えました。
このように、米国の事例を見ると、
経済安全保障は自国の産業を強くし、
相手国の競争力を下げる産業政策としての
一面を持っているようです。
我が国ですと、1982年の通産省(現経産省)によれば、
経済安全保障のための政策として、
1 世界経済システム機能の維持・強化、
2 重要物資の安定供給の確保、
3 技術開発を通ずる国際社会への貢献
の3つが挙げられていました。
自民党の経済安全保障の政策提言を見ると、
技術優越の確保・維持の部分で、
戦略的な育成が必要な技術に予算、人材の確保とは
書かれていますが、
どちらかというと技術流出防止に
力が入っているように感じます。
今までの傾向を見ていると、
〇〇人材育成プログラムを行ったり、
不正競争防止法の罰則の引き上げなど、
人材の供給量や、厳罰化で対応してます。
一方で、パナソニックなど大手企業でのリストラや、
外資と比較すると相対的に低い賃金、
国立大学の民営化など、
我が国は技術系の人材への処遇が必ずしも高いとは言えません。
経済安全保障担当閣僚が作られるなら、
海外企業に育成した人が引き抜かれないぐらい
高い処遇が行えるような政策を行なって欲しいと思います。
参考:経済安全保障特集ページ(公安調査庁)
経済安全保障 (立法と調査428号)
提言「『経済安全保障戦略策定』に向けて」(自民党)
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