歴史のある不使用商標権を取り消されない努力
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
エチオピア連邦民主共和国が、商標「SHIDAMO」
指定商品「コーヒー、コーヒー豆」で出願し、登録されました。
その後、社団法人 全日本コーヒー協会が、無効審判を請求し、
無効審決となりました。
その後、審決取消訴訟が行われ、
3条1項3号に該当されないとしました。
判決では、
「①我が国においては,『SIDAMO』又は『シダモ』は,
これが『コーヒー,コ ーヒー豆』に用いられる場合,
コーヒー又はコーヒー豆の銘柄又は種類を指すものとし
て用いられることが多いこと,
②我が国において,『シダモ』が,
エチオピアにおける コーヒー豆の産地として用いられる
場合があるが,その場合でも,上記銘柄又は種類と
しての『SIDAMO』又は『シダモ』の産地として用いられ
ていることが多いこと,
③上記銘柄又は種類としての『SIDAMO』又は『シダモ』は,
エチオピア産の高品質のコーヒー豆又はそれによって製造
されたコーヒーについて用いられていることが認 められる。
一方,...一般に我が国においては,エチオピアの『シダモ』
(『SIDAMO』)とい う地名の認知度は低いものと認められる。
そして,この事実と上記①〜③の事実を総合すると,本件商標が,
その指定商品である『コーヒー,コーヒー豆』について用いられ
た場合,取引者・需要者は,コーヒー豆の産地そのものという
よりは,コーヒー又はコ ーヒー豆の銘柄又は種類,すなわち,
エチオピア産(又はエチオピアのシダモ地方産) の高品質の
コーヒー豆又はそれによって製造されたコーヒーを指すものと
認識すると認められる。
そうすると,本件商標は,自他識別力を有するものであるとい
うことができる。」
とされました。
また、原告による品質管理のもとでエチオピアから
輸出したコーヒー豆またはそれによって製造されたコーヒー
であれば、商標権者が原告(エチオピア連邦民主共和国)である限り
独占を認めても公益上問題がないとしていました。
確かに、エチオピア政府が品質管理していれば、
需要者の保護は図れそうですものね。
参考:平成21年(行ケ)第10226号
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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