発明者が退職する場合
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
共同で開発をしているときに、誰を発明者として認定するのでしょうか?
基本的には、発明は、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」です(特許法2条1項)。
このため、発明者として認められるためには、
その発明の技術的思想の創作行為に現実に加担することが必要です。
単なるアイデアや、研究テーマを提示したにすぎない者は、
発明者ではないです。
特に、化学分野では、一般に、ある物品を構成する有効成分の物質名やその化学構造のみから、
その物品の有用性を予測することが困難です。
このため、ある物品を構成する物質についての着想から、
直ちに当業者が実施可能な発明が完成するものではありません。
機械などでは、理論に基づいて開発し、
ある程度結果がシミュレーションできるようですが、
化学の分野ですと、理論通りの結果にならないことが多いです。
一見使えそうな物質でも、実際に実験をすると、
予想通りの性能にならないことの方が多いです。
このため、有用性を確かめるために、実験を繰り返し、
有用性が認められる範囲を明確にする必要があります。
このため、ある物品を構成する物質について
着想を示したのみですと、発明者にはなりません。
しかしながら、将来、シミュレーションソフトの開発が進み、
自然現象(例えば、細胞内での化学反応や、生体内での化学反応など)を
シミュレーションできるようになると、この辺りの判断も変わってくるかもしれませんね。
参考:平成18(ネ)10020
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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