Mybestpro Members

鈴木康介プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

化学系の発明者の認定

鈴木康介

鈴木康介

テーマ:特許法

プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。

共同で開発をしているときに、誰を発明者として認定するのでしょうか?

基本的には、発明は、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」です(特許法2条1項)。

このため、発明者として認められるためには、
その発明の技術的思想の創作行為に現実に加担することが必要です。

単なるアイデアや、研究テーマを提示したにすぎない者は、
発明者ではないです。

特に、化学分野では、一般に、ある物品を構成する有効成分の物質名やその化学構造のみから、
その物品の有用性を予測することが困難です。

このため、ある物品を構成する物質についての着想から、
直ちに当業者が実施可能な発明が完成するものではありません。

機械などでは、理論に基づいて開発し、
ある程度結果がシミュレーションできるようですが、
化学の分野ですと、理論通りの結果にならないことが多いです。

一見使えそうな物質でも、実際に実験をすると、
予想通りの性能にならないことの方が多いです。

このため、有用性を確かめるために、実験を繰り返し、
有用性が認められる範囲を明確にする必要があります。

このため、ある物品を構成する物質について
着想を示したのみですと、発明者にはなりません。

しかしながら、将来、シミュレーションソフトの開発が進み、
自然現象(例えば、細胞内での化学反応や、生体内での化学反応など)を
シミュレーションできるようになると、この辺りの判断も変わってくるかもしれませんね。

参考:平成18(ネ)10020

ご相談・お問い合わせ・取材はお気軽に
↓↓↓
03-5979-2168(平日9:00~17:00)
メール info@japanipsystem.com

中国商標
Facebookで中国知財情報をまとめています。
http://www.facebook.com/Chinatrademark

Twitterは、こちらです。
↓↓↓
http://twitter.com/japanipsystem

マイベストプロ東京 中国商標・中国知財に強い弁理士
プロシード国際特許商標事務所の取材記事はこちら!
http://mbp-japan.com/tokyo/suzuki/

お読み頂きありがとうございました。
弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
Web:http://japanipsystem.com/

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

鈴木康介
専門家

鈴木康介(弁理士)

プロシード国際特許商標事務所

国際特許事務所での業務を通じて、実践的な知識とネットワークを培ってきました。また、中国人と国際結婚したため、現地の生活習慣などを経験を通じて理解しています。

鈴木康介プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

アイデアやブランドなど知的財産を守り、中国に強い弁理士

鈴木康介プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼