非難とパロディー
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
安土城の絵を描くと著作権の問題が生じるという言説が
SNS上でありました。
1。お城は建築物の著作物か?
著作権法には、著作物の例示として、建築物の著作物が挙げられています。
しかし、著作権の保護対象となる建築物は、
建造物によって、思想・感情を表現したもののうち、
著作物性の要件を満たしたものとなります。
建築物一般を著作物とされ、著作権の保護を受けるとなると、
利用について制限を受けるため、実用物である建築としては利用しにくくなります。
しかし、美的要素を追求したようなお城に関しては、
著作物性を認められるものがあると考えます。
2。著作権の保護期間
日本の多くの城は、江戸時代よりも前に建築されているため、
ほとんどの城の著作権の保護期間は満了しています。
安土城も1581年に完成したと言われている城のため、
普通に考えると著作権の保護期間は満了していると考えられます。
3。安土城の場合の特殊性
安土城は1585年に廃城になったそうです。
このため、当時の安土城の形は残っておりません。
現在、安土城の姿と言われているものは、
多くの研究者が復元したものになります。
このため、現在生きている研究者の復元した
安土城のイラストを元に絵を描いた場合には、
その研究者の絵画や、模型の著作物の著作権侵害となる
可能性があります。
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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