キャラクターが商品等表示となった事例(マリカー事件)
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
「うちの会社のサイトのセキュリティーが……」と喋りつつ、私の乗っているエレベータに二人の男性が乗ってきました。
気になってしまいついつい聞き耳を立ててしまいました。
ーサイトアクセス中に○○ボタンを連打すると、画面遷移がおかしくなる。
ーその結果、でちゃいけない情報がでてしまう。
などのことを普通の声で話していました。
彼らが入ってきた階や、その他の情報から、なんとなくどこの会社かわかってしまいます。
さらに、近年、日本企業からの情報流出が問題になり、不正競争防止法の改正など、法律上の情報流出対策が行われてきています。
しかし、今回のように社外で社員が話していると、営業秘密の秘密管理性の要件が満たされません。
(社外で大きい声で情報を話していたら、管理されてないと思いますし。。。)
秘密を守る法的な仕組みはある程度整ってきているのですから、秘密を取り扱う社員の意識を高めることのほうが重要なのではないでしょうか?
ある企業では入社時の研修で、離席時にPCをロックしたり、室外で会社の話を禁止するなどを教えますし、また、別の企業では、プロジェクト名をマーリンやトーマスなど商品やサービスとは全く関係ない名前につける事で、万が一社外でプロジェクトの話がでても、「マーリンって、だめだよね」などとあまり仕事の話に聞こえないように工夫をしています。もちろん、その企業も基本的には社外でプロジェクトの話は禁止ですが、万が一酔っ払って話しても平気なようにしているらしいです。
セキュリティ対策は、料理に似ています。
例えば、料理をするときに、新鮮な魚を買ってきて、どんな立派な包丁を使ったとしても、手を洗わずに、刺身を作ったら、食中毒が起きてしまいます。
セキュリティ対策も同じです。法律や社内規定を整備して、入退室管理システムやセキュリティ関連のソフトなどの仕組みを導入しても、情報を取り扱う社員の行動が伴わなければ、情報が漏れてしまいます。
情報の流出を防ぐには、規定やシステムを整えるだけでなく、社員教育も重要だと感じています。
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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