明治時代に出願された資生堂の商標
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
商標法は登録主義なので、すぐに使用しない商標でも出願し、要件を満たせば登録されます。
しかし、商標は日本国内において3年間使用していないと、不使用取消審判(商標法50条)で取り消されてしまう恐れがあります。
一方で、自社ブランドが長年使用して携帯電話などの電子機器で有名になった場合、そのブランド名でマスクなどをの商標を他社に取られると困ります(指定商品が異なるので、取得される可能性が高いです)。
この時に、使える制度が防護標章制度です(商標法64条)。
防護標章は、使わない予定の指定商品や指定役務を守る制度のため、不使用取消審判で取り消されることはありません。
例えば、アイドルグループの名前を、大人の店に使われないようにするために使用したり、電機メーカーの名前をマスクなどに使われないように使用するなどされています。
参考:商標法 64条
「商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることによりその商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。」
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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