画像の意匠
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
内装の意匠の保護対象化の続きです。
一つの出願には、一つの施設における内装空間に限られます。
一つの施設内であったとしても、図面に複数の空間が表されている場合、原則として、物理的に一つの同一空間であるかどうかとの観点から検討されます。
物理的に同一空間内であれば、異なる用途の空間を複数含んでいても、一の内装の意匠と判断されます。
これに該当しない場合は、二以上の内装の意匠の出願と判断されます。
ただし、二以上の空間を含むものであっても、それらの空間の用途に共通性があり、形態的にも一体的に創作がなされたものと認められる場合は、一の内装の意匠と判断されます。
各構成物の配置が異なる意匠は、別個の独立した意匠創作として取り扱われます。
構成物の配置が異なる内装の意匠が複数表されている場合は、二以上の内装の意匠を包含した出願と判断されます。
意匠の明確な開示
意匠に係る物品の欄
内装の具体的な用途が明確となるものを記載します。
例えば、カフェの内装、オフィスの執務室の内装、自動車ショールームの内装、手術室の内装、観光列車の内装など用途が明確になるように記載します。
なお、オフィス空間に併設しているカフェなど、複数の用途を含む内装については「意匠に係る物品」欄には、主たる用途を記載し、その他の用途については、「意匠に係る物品の説明」欄において説明します。
図面等
内部形態のみを開示すればよく、意匠の特定に支障がない範囲内で、様々な図法による開示方法が認められます。
床、壁、天井のいずれか一つ以上を表すことが必要です。
特徴記載書
出願人が意図する創作のポイントが、願書及び図面等のみでは十分に表現することが困難なことが想定されるため、特徴気最初の提出が推奨されています。
内装の意匠の新規性の判断における類否判断上の留意点
判断主体
取引者を含む需要者です。
用途及び機能の類似性の判断
両意匠の使用の目的、使用の状態等に基づく用途及び機能に共通性があるか否かが検討されます。
例えば、「住宅用寝室の内装」と「ホテル客室の内装」は、いずれも人がその内部に入り、一定時間を過ごすという点で用途及び機能が類似しています。
観察方法
内装の意匠は、人がその内部に入る大きさを持ったもので、複数の物品等から構成されます。
このため、通常の利用態様における肉眼による観察を基本としつつ、内装の特性に応じて、一の観察方法に限定することなく、複数の視点を総合的に考慮されます。
内装の意匠の新規性の例
類似する内装の意匠の例(形態が類似し、用途及び機能が共通)
類似しない内装の意匠の例(形態が類似せず、用途及び機能が共通)
内装の意匠の創作非容易性の例
置き換え
机を置き換えただけではダメです。
寄せ集め
机などを一般的に配置しただけではダメです。
ただし、配置が視覚的な特徴として現れるもので、独自の創意工夫などが認められると創作性が認められる可能性があります。
一部の構成の単なる削除
パーテッションを削除しただけではダメです。
配置の変更
公知意匠Aの机を公知意匠Bの配置に変えただけではダメです。
構成比率の変更
畳の数を増やしただけではダメです。
連続する単位の増減
洗面台の数を増やしただけではダメです。
なお、 物品等の枠を超えた構成の利用・転用の例として、著名な漫画に登場する部屋の内装をそのまま表したものや、著名なおもちゃの家の部屋の内装をそのまま表したものがあげられます。
要は、のび太くんの家や、しんちゃんの家の内装を使ったり、シルバニアファミリーの部屋の内装をそのまま表したものはダメです。
建築物や、内装の意匠は今まで意匠制度とは関係のなかった業界でも意匠制度による保護が可能になってきます。
このため、上手く使えばビジネスに良い影響を与えるでしょう。
参考改正意匠審査基準案の概要
※図面は全てこの改正意匠審査基準案の概要のものを使っています。
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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