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ロゴの著作物性

鈴木康介

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テーマ:著作権

プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。

先週の土曜日に受けた著作権の研修でロゴの著作権の話が出てきました。

現状のところ、ロゴの著作物性は認められていません。
(著作物でないので、著作権がないという建てつけです)

例えば、Asahi事件では、

「言語を表記するのに用いる符号である文字は、他の文字と区別される特徴的な字体をそれぞれ有しているが、書体は、この字体を基礎として一定の様式、特徴等により形成された文字の表現形態である。いわゆるデザイン書体も文字の字体を基礎として、これにデザインを施したものであるところ、文字は万人共有の文化的財産ともいうべきものであり、また、本来的には情報伝達という実用的機能を有するものであるから、文字の字体を基礎として含むデザイン書体の表現形態に著作権としての保護を与えるべき創作性を認めることは、一般的には困難であると考えられる。仮に、デザイン書体に著作物性を認め得る場合があるとしても、それは、当該書体のデザイン的要素が「美術」の著作物と同視し得るような美的創作性を感得できる場合に限られることは当然である。」

と判示しています。

<Asahiのロゴ>
アサヒ1

アサヒ2
※画像は、判決から

このように、アサヒビールのロゴであっても著作物性は認められませんでした。

しかし、書体でも、商業書道デザイン書体事件では、

「文字を素材とした造形表現物の中でも、元来美術鑑賞の対象となるような書家による書は、字体、筆遣い、筆勢、墨の濃淡やにじみ等の様々な要素により多様な表現が可能な中で、筆者の知的、文化的精神活動の所産としての創作的な表現をしたものとして著作物性が認められるのは当然であり、書家による書に限らず、「書」と評価できるような創作的な表現のものは、美術の著作物(著作権法一〇条一項四号)に当たると解される」

と判示されています。



このため、美術館などに飾られるようなロゴですと、
将来、著作権による保護が認められることがあるかもしれません。

ただし、現状では、著作権でロゴを保護することは困難ですので、
大事なロゴは商標出願をすることをお勧めします。

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お読み頂きありがとうございました。
弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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鈴木康介
専門家

鈴木康介(弁理士)

プロシード国際特許商標事務所

国際特許事務所での業務を通じて、実践的な知識とネットワークを培ってきました。また、中国人と国際結婚したため、現地の生活習慣などを経験を通じて理解しています。

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