中国商標権の異議申立の理由
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
中国で第三者に冒認出願されてしまった場合の手段の一つとして、以前からその商標を使用していたこと、つまり、いわゆる先使用を理由として取消審判を請求することがあります。
この先使用を理由として取消審判を請求する場合、
・先使用の証拠と使用の日時
・商標自体の識別力の高さ
・商標の周知性
・先方の悪意の有無
などの要件を立証しなければなりません。
特に、商標の周知性、識別力の高さ、先方の悪意の有無は非常に重要です。
得に、「長城」、「水仙」などのような識別力の低い商標は中国では誰でも容易に思いつくとされるので、もともと商標を使用した会社は他社の善意によるその商標の登録を止めることができません。
また、悪意の有無については、両方の貿易・取引関係や代理関係に関する証拠などがあると良いです。
なお、実務的には、十分な証拠がなければ、取消審判に勝つことはかなり困難です。
また、中国商標法41条により、有名商標の所有者であれば、取消審判の請求期間に制限がなく、いつでも取消審判を請求できますが、普通商標の所有者ですと取消審判の請求期間は登録日後の5年間以内となります。
第四十一条 登録された商標がこの法律第十条、第十一条、第十二条の規定に違反している場合、又は欺瞞的な手段又はその他の不正な手段で登録を得た場合は、商標局はその登録商標を取消す。その他の事業単位又は個人は、商標評審委員会にその登録商標の取消についての裁定を請求することができる。 登録された商標がこの法律第十三条、第十五条、第十六条、第三十一条の規定に違反している場合、商標の登録日から 5 年以内に、商標所有人又は利害関係者は商標評審委員会にその登録商標の取消について裁定を請求することができる。悪意による登録をした者に対して、著名商標の所有者は、5 年の期間制限を受けない。 前二項に規定された状況以外を除き、登録商標に異議がある場合は、その商標の登録日から 5 年以内に、商標評審委員会に裁定を請求することができる。 商標評審委員会は裁定請求を受けた後、関係する当事者に通知し、かつ期間を限り答弁書を求めなければならない。(中国商標法 JETRO訳)
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