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中国商標で先使用権はあるか?

鈴木康介

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テーマ:中国商標

プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。

「我が社は既に中国でビジネスをしているので、日本で言う先使用権※1が認められるのではないか?」と言われるかたがいらっしゃいます。

一応、中国商標法第31条※2には、「商標登録出願は、他人の権利を侵害してはならない。また、他人が使用した結果、一定の影響力のある商標を、不正な手段により先に登録してはならない。」と言う規定があります。このため、法上の所定要件を満たせば、先使用権を認める事になっています。

しかしながら、実務を考えると、先使用を主張する場合、

1.商標権者が不正手段によって登録したことを立証する。
2.自分の未登録商標が一定の影響力を中国において有することも立証する。

と2つの要件を立証する必要があるため、要件を満たすことがなかなか困難です。

海外企業の場合、自国ではその商標を使用していても、中国で未使用のことが多いため、
中国国内で一定の影響を有することを立証するは困難です。

このため、紛争を避けるために、早期に中国商標出願を行った方が、
費用も時間も節約できます。

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<参考>
※1 商標法 第32条(先使用による商標の使用をする権利)
他人の商標登録出願前から日本国内において不正競争の目的でなくその商標登録出願に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその商標又はこれに類似する商標の使用をしていた結果、その商標登録出願の際(第9条の4の規定により、又は第17条の2第1項若しくは第55条の2第3項(第60条の2第2項において準用する場合を含む。)において準用する意匠法第17条の3第1項の規定により、その商標登録出願が手続補正書を提出した時にしたものとみなされたときは、もとの商標登録出願の際又は手続補正書を提出した際)現にその商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは、その者は、継続してその商品又は役務についてその商標の使用をする場合は、その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する。当該業務を承継した者についても、同様とする。
2 当該商標権者又は専用使用権者は、前項の規定により商標の使用をする権利を有する者に対し、その者の業務に係る商品又は役務と自己の業務に係る商品又は役務との混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができる。

※2 中国商標法 第三十一条
申请商标注册不得损害他人现有的在先权利,也不得以不正当手段抢先注册他人已经使用并有一定影响的商标

お読み頂きありがとうございました。
弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
Web:http://japanipsystem.com/

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専門家

鈴木康介(弁理士)

プロシード国際特許商標事務所

国際特許事務所での業務を通じて、実践的な知識とネットワークを培ってきました。また、中国人と国際結婚したため、現地の生活習慣などを経験を通じて理解しています。

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