中国のドメイン詐欺
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
中国のドメインネームの事件の判例です。
この事件は、他人の先登録商標を、企業名、ドメインネーム、及びインターネットキーワードとして使用することが不正競争を構成するとしたものです。
<事実関係>
1.甲社が商標A(指定商品X)を登録しました。
2.甲社と関係ない者が乙社(”知名+商標A”という名前の会社)を設立しました。
3.乙社が商標Aの中国語読み(マンダリンのピンイン)のドメインを登録し、乙社のサイトを作りました。
4.乙社が指定商品Xの合格証に商標Aを使用したところ、行政当局から取り締まりを受け、過料を支払いました。
5.乙社は、商標Aをインターネットキーワードとして登録しました。
6.甲社は、乙社と話し合いを行った結果、乙社は、合格証を破棄し、賠償、謝罪を行う事になりました。
7.乙社は、商標A(指定商品Xと非類似の指定商品Y)を登録しました。
<判決>
1.乙社は、企業名称を30日以内に変更せよ。
2.乙社は、ドメインネーム、インターネットキーワードの使用を停止せよ。
3.乙社は、虚偽宣伝の不正競争行為を停止せよ。
4.乙社は、甲社に500,000人民元(約600万円)を賠償せよ。
<コメント>
乙社のように、他社のブランド名を自社名称や、ドメインネームや、インターネットキーワードとして利用し、他社の信用にフリーライドするケースが見られます。
今回の甲社は、事前に商標登録をして、宣伝活動も活発に行っており、乙社が設立される前から知名度が高い企業だったことが、勝因の一つだったと思います。
<その他>
インターネットキーワードとは、キーワードをURLにリンクさせるサービスで、中国では主に中国ドメイン名登録機関であるCNNICが提供しています。
本件のケースの場合、ブラウザのアドレスバーに、商標Aと入れると、乙社のサイトが開きます。
<中国ドメイン(CNドメイン)の参考関連記事>
○中国ドメイン事件の判例2
○中国ドメイン事件の判例3
○中国のドメイン命名ルール
○CNドメイン取得対策
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