組織文化はどうやって壊れるのか【コンサルの視点12】

前回のコラムでは、「経営を再編集する」という考え方について書きました。
会社がうまくいかなくなるのは、何かが壊れているからとは限りません。
むしろ、成長や変化によって、今の姿とこれまでのやり方が合わなくなっていることの方が多いのです。
では、実際に再編集を進めるとき、何から手を付ければよいのでしょうか。
私はまず、次の3つのステップで整理することをお勧めしています。
一つ目は、「何が起きているのかを見えるようにすること」です。
経営者の相談を受けていると、
「何となく噛み合わない」
「どこかおかしい気がする」
という言葉をよく耳にします。
実は、この段階では問題そのものがまだ見えていません。
社員の問題なのか。
組織の問題なのか。
情報共有の問題なのか。
まずは事実を集め、状況を整理し、何が起きているのかを言葉にすることが必要です。
二つ目は、「本当の原因を探ること」です。
表面に見えている問題が、必ずしも原因とは限りません。
例えば、
社員のモチベーションが低い。
という現象があったとしても、
本当は評価制度の問題かもしれませんし、
経営方針が伝わっていないことが原因かもしれません。
あるいは、役割が曖昧なだけかもしれません。
現象だけを追いかけていると、対症療法になってしまいます。
だからこそ、
「なぜそうなっているのか」
を丁寧に掘り下げることが重要です。
三つ目は、「言葉を揃えること」です。
問題が見え、原因が分かったとしても、それだけでは組織は変わりません。
経営者が考えていること。
社員が感じていること。
会社として目指したいこと。
これらを共有できる言葉に整理していく必要があります。
私は、ここが最も重要だと考えています。
なぜなら、人は言葉によって判断し、行動するからです。
逆に言えば、言葉が揃っていなければ、どれだけ立派な戦略や制度を作っても、組織はバラバラの方向へ進んでしまいます。
見える化する。
原因を探る。
言葉を揃える。
この3つは、特別な手法ではありません。
しかし、多くの会社で十分に行われていないことでもあります。
経営の現場では、どうしても急いで解決策を求めたくなります。
新しい制度を入れる。
新しい仕組みを作る。
もちろん、それも大切です。
ただ、その前に立ち止まって、
「今、何が起きているのか」
を整理する時間を持つこと。
それが結果として、最も早い解決につながることも少なくありません。
混乱した糸は、力任せに引っ張ると余計に絡まります。
まずは全体を見渡し、どこが絡まっているのかを見極める。
経営もまた、それに似ているのかもしれません。


