人と空間と音の風景
不妊症の患者さんが抱えるストレスは、がんやエイズを宣告された人と同等のレベルと言われています。
体・心・お金・時間の4つの負担がのしかかる中で、治療方針や計画、費用など、シビアな話し合いを夫婦でしなければいけないため、コミュニケーションのハードルはエベレスト級に上がります。
本当は協力し合いたいのに、相手の言い方にカチンときたり、思わずキツく言ってしまったりと、二人の間に大きな溝ができてしまいがちです。
そんなときに活用してほしいのが、本書に載っている妊活コミュニケーション=「妊コミ」です! 自分の気持ちを素直にことばにし、相手が受け取れるように話す。これだけで、二人の関係は大きく変わります。
自分も相手も大切にするコミュニケーションの取り方は、学べば修得できるものです。夫婦で一緒に読める本なので、これをきっかけに「最強のチーム」となって、二人で支え合い、助け合って生きていくためヒントにしてください。
著者はむつみ薬局にも通っていた鈴木早苗さんです。鈴木さんはコミュニケーションの講師を17年されており、その経験をもってしても「不妊治療中に夫やまわりの人に素直な気持ちを伝える」というのはとても難しかったそうです。そこで「他にもたくさんの人が悩んでいるに違いない」と会話のコツを「妊コミ」としてまとめ、一冊の本を書き上げました。
不妊治療経験者かつコミュニケーションの専門家が書いた本というのは他に類を見ません。巷にあふれる「妊活メソッド」や「不妊治療の基礎」本とは一線を画すオリジナリティです。
お悩み事例や具体的なシチュエーションで書かれているセリフシートなど、とても実践的ですぐに使える内容になっています。
また、女性の視点だけではなく男性視点にも寄り添っているので、性別問わず違和感なく読むことができます。ぜひ書店やアマゾンでお買い求めください。おすすめします。