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水毒体質と妊娠との関係

谷津吉美

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テーマ:漢方薬で赤ちゃんを考える





水毒体質は妊娠の大敵

体の中に余分な水がたまっていると、冷えを招いて、赤ちゃんが授かりにくくなります。
「甘いものを食べすぎない」「適度な運動をする」を心がけて、余分な水分をためにくい体をつくりましょう。

色白でぽちゃり、むくみやすい人は要注意
 体の中に余分な水がたまっている状態を漢方では「水毒」といいます。「余分な水」といわれても、あまりピンとこないかもしれませんね。でも女性には、けっこうこの水毒体質の人が多いのです。
 試しにあおむけに寝て、自分のおなかを軽くたたいてみてください。「チャポチャポ」と水が揺れるような音が聞こえたら、あなたは水毒体質です。また、顔や足がむくみやすい、舌にギザギザと歯形が残りやすい、トイレが近すぎる、逆に遠すぎる、こんな症状の人も水毒体質の可能性が高いでしょう。
 低気圧が来る前に頭痛を感じる、めまい、耳鳴り、皮膚に水疱ができやすい、アレルギー性鼻炎、ぜんそくがある、色白で貧血ぎみ、ぷよぷよとした水太りタイプ、汗をかきやすい、胃が弱い、下痢をしやすい・・・・などにあてはまる人も水毒体質だと思われます。

水毒体質の人は体が冷えやすい
 この水毒体質は赤ちゃんのできにくさにも、大きく関係しています。体に余分な水が多いということは、体が冷えやすい状態と考えられます。体が冷え、子宮や卵巣も冷たければ、赤ちゃんは授かりにくいでしょう。妊娠しても、子宮の中が水分過剰な状態では、赤ちゃんが流れやすいと漢方的には考えます。
人間の体は60~70%が水分でできています。体内の水分の割合がふえすぎると、血液やホルモンの濃度が薄まり、妊娠する力が弱まるのかもしれません。
冷え性の人には「体をあたためる」漢方薬がだされます。実はその多くが、「体内にたまっている余分な水分を除いて血行を促進させ、体をあたためる」ことを狙った処方なのです。
では、水毒体質にならないためにはどうすればよいのでしょう?
「水が多いなら、とる水分を抑えればいい」と思いがちですが、それはまちがい。水毒はもともとの体質も関係しますが、その大きな原因は「甘いもの(砂糖)のとりすぎ」と「運動不足」によって起こると漢方では考えます。
運動をして汗をかくことは、体の水のめぐりをよくするのに欠かせません。水毒体質の症状があてはまる人は、甘いもの(砂糖)をなるべく控えること、適度な運動をすること。この2つを心がけて、少しでも妊娠しやすい体に近づいてほしいと思います。

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谷津吉美
専門家

谷津吉美(薬剤師)

有限会社むつごろう薬局

漢方医学を専門に23年。不妊症をはじめ各種女性の悩み・アレルギー・皮膚病・自律神経失調症などの症状に、深い知識で丁寧に対応。また静岡県立高校の進路指導講演会や不妊専門雑誌などで漢方薬を広めています。

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