自律神経をととのえて、妊娠に向かう
肉に偏った食事やストレスなどが原因で、おなかに古い血がたまり、受精卵の着床や発育をじゃますることがあります。魚や野菜が中心の食事、ストレスの少ない生活を心がけましょう。
西洋医学では「異常なし」の“瘀血”
「検査では夫婦とも異常がないのに、妊娠しない」「対外受精で受精するのに、子宮に戻すと着床できない」「妊娠反応が出ても、途中で赤ちゃんの成長が止まってしまう」。こんな悩みを相談されることがよくあります。漢方では子宮に“瘀血”があるため、こうしたトラブルが起こると考えます。
瘀血は漢方独自の表現で、血流が悪いために古い血が滞っている状態を意味します。瘀血は、検査では見つけることができません。そのため体に瘀血による症状があらわれていても、西洋医学では「異常なし」とされます。
瘀血体質な人は、顔色が悪い、目の下のクマやシミ、吹き出物、舌の裏の静脈がはれたり黒っぽくなっている、便秘、おなかがいたい、月経血がどす黒くレバーのようなかたまり状のなる、肉や脂っこいもの、甘いものを好むなどの特徴があります。
肉より魚がおすすめ。野菜も血液をキレイに
瘀血を予防・解消するポイントになるのが食生活です。瘀血を招くのは肉や脂っこい食べ物、スナック菓子、砂糖類などです。こうした食べ物は血液をドロドロにして、循環を悪くしてしまいます。
もともと穀類を中心に食べていた日本人の腸は長く、肉はあまり体に合いません。長い腸内に、消化の悪い肉がとどまっていると、その間に毒素が発生し、瘀血を生み出します。肉の脂は冷えると白くかたまりますが、それが血液中に入ったところをイメージしてください。血液の循環が悪くなるのが想像できるでしょう。逆に魚の脂は冷えても固まらず、血液をサラサラにするといわれているので、おすすめです。
野菜はそのほとんどが腸をキレイにして、血液を浄化する効果があります。ただ冷え性の人の場合は、生野菜をとりすぎるとよけいに冷えてしまうので、食べ方に注意してください。
ストレスも瘀血の原因になります。疲労によりたまった血液中の毒素は、睡眠時に肝臓で浄化されます。しかしストレスがあると肝臓がうまく働かず、血液の浄化が妨げられ、毒素を含んだ古い血が体内に残ってしまいます。
ストレスはさまざまな病気の発生とも関係します。赤ちゃんができやすい体に近づくためにも、日常生活でストレスをじょうずに発散するようにしましょう。