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妊娠する力を高める養生法

谷津吉美

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テーマ:漢方薬で赤ちゃんを考える




朝食をしっかり食べて妊娠をしやすいあたたかい体に
みなさんはきちんと朝食をとっていますか?
朝食は一日の活動のエネルギー源になるたいせつなもの。あたたかい体をつくるためにも、欠かせない要素です。

朝食をとると体があたたまってくる
 なかなか赤ちゃんができないとご相談にくるかたたちにお話を伺うと、「いつも朝食は食べません。」「朝はコーヒーだけ」「バナナ1本が朝食です」など、しっかりと朝食をとっていないケースが少なくありません。そういうかたがたには「午前中は体がだるい」「朝、起きられない。すっきりと目覚められない」「体温が低いのが気になる」「体が疲れやすい」など、共通した症状があるのです。
 人間は昔から、日の出とともに目覚めて活動を始め、日が沈むと床につき体を休める、という生活リズムで暮らしていました。体温や血圧もこうした生活リズムに連動して、日中活動するにつれてやや上昇し、眠りにつくと下がるというのが一般的です。ですから、私たちの体は朝起きたばかりのとき、まだあたたまっていません。そこで大事になってくるのが、朝食です。朝食をとると、まだ眠っていた胃・小腸・大腸が目を覚まして活動を始め、体があたたまってきます。脳にもエネルギーがしっかり届けられ、その働きが活発になります。特に大腸の中には腸内細菌がたくさんいて、食物が入ってくると活発に働くのでおなかが内側からあたたかくなってきます。その大腸の上にあるのが″子宮″なのです。

10分早起きして体操→朝食が理想です
 わたしたちは「妊娠するうえで、まずたいせつなのは体をあたためること、体温を高くすること、おなか=子宮をあたためること」と考えています。鳥が卵をかえすときに卵をあたためるように、人間が赤ちゃんを育てるためにもあたたかさ、つまり、ある程度の体温が必要。もし前夜に排卵し、受精に成功したとしても、午前中に子宮があたたまっていなかったら、受精卵が着床できていないということだってあるかもしれません。最近は低体温の人がふえているといわれていますが、妊娠しやすい環境を考えると、朝起き抜け、まだ活動を始める前の体温は36度2~3分は欲しいと思います。
 朝、起き抜けの体温が低い人でも、朝食をしっかり食べればすぐに体はあたたまります。たとえば、シンプルですが、ごはんとみそ汁の組み合わせは理想的。みそは体をあたためる作用があり、みそに含まれる酵母菌は腸を活性化させます。洋食派ならハンバーグに十y-スや果物、ヨーグルトではなく、根菜など体をあたためる具を入れたスープを合わせるなどして、しっかりおなかをあたためましょう。朝食をしっかりとって体をあたためれば脳も体もしっかり目覚めるので「午前中だるい」ということもなく、家事や仕事も効率よくこなせるでしょう。
「朝は食欲がない」という人は、いつもより10分早起きをしてラジオ体操をするなど、軽く体を動かしてみてください。前夜、ウォーキングなどの軽い運動をするのもいいでしょう。夕食を食べすぎたり、遅い時間に夕食をとると寝ている間に内臓が休息できないため、翌朝の食欲に影響します。朝食をきちんととるためにも、就寝3時間ぐらいは何も食べないようにするのもよいと思います。

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谷津吉美
専門家

谷津吉美(薬剤師)

有限会社むつごろう薬局

漢方医学を専門に23年。不妊症をはじめ各種女性の悩み・アレルギー・皮膚病・自律神経失調症などの症状に、深い知識で丁寧に対応。また静岡県立高校の進路指導講演会や不妊専門雑誌などで漢方薬を広めています。

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