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漢方薬でよくなった症例11~15

谷津吉美

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テーマ:漢方薬で良くなった症例

15三叉神経痛と漢方薬

61歳の男性。4~5年前より三叉神経痛を発症し、病院の薬を飲んでいたら痛みは治まっていたようですが、2か月前より痛みがひどくなったといいます。
体質は、少し肥満気味で汗っかき、口渇、むくみがあります。また、痛みは天気の悪い日にひどくなるといいます。
漢方では、このような体質を水毒(すいどく)と考え、水毒を改善する漢方薬の五苓散を調合。飲み始めて2週間後、痛みが半減したといいます。その後も漢方薬を継続し、3か月間の服用で痛みはなくなりました。

14指関節のこわばりと漢方薬

68歳の女性。数年前より、右手の中指と薬指が曲がらなくなり、悩んでいるといいます。病院では、脳MRIや血液検査に問題がなく、後は手術するしかないといわれて、漢方で治せないかとご相談に見えられました。
体質は、手足の冷え、神経質、不眠、肩こりがあります。また、不安感やイライラしやすいといいます。
漢方薬の抑肝散加陳皮半夏と芍薬甘草湯を調合。飲み始めて1か月後、指の動きが少し良くなっているといいます。そのまま漢方薬を服用し、約1年の服用で元のように動くようになりました。

13メニエール病と漢方薬

61歳の女性。1年前位に耳鳴り、ぐるぐる回るめまいに襲われて、メニエール病と診断された。病院の治療で一時的には回復したものの、軽いめまいや耳鳴りは残っているといい、最近またひどい回転性のめまいに襲われたため、漢方薬で体質改善をしたいとご相談に見えられました。
体質は、やや神経質で、3年前まで、親の介護などのストレスがたまっていたといいます。肩こり、背中の張りがあり、夜の寝つきが悪く、精神安定剤を服用しているといいます。
漢方薬の小柴胡湯と苓桂朮甘湯を調合。飲み始めて1か月後、ふらつきや耳鳴りが軽減し、よく眠れるといいます。そのまま漢方薬を継続して服用。1年が経過しますが、耳鳴りは改善し、めまいは起きていないといいます。

12掌蹠膿疱症と漢方薬(51歳女性)

51歳の女性。2年前より手のひら、足の裏に膿胞ができ始めたといいます。病院で掌蹠膿疱症と診断され、ステロイド剤を付けていたようですが改善されず、漢方のご相談に見えられました。
体質は、身長155㎝体重60㎏とやや太めで、喫煙歴がありますが、現在は止めています。患部は赤く、手足は暖かく、皮がごわごわとむけています。生理は順調にあったようですが、昨年より来ていないといいます。
漢方薬の大柴胡湯(煎じ薬)を調合。自家製軟膏の紫雲膏も付けてもらいました。1か月後、飲み始めてすぐに、ひどく膿胞が出たようですがその後軽減し、皮がぼろぼろとむけているといいます。さらに1か月後、新しい膿胞はポツリポツリとしかできていません。その後3か月、新しい膿胞はできなくなったといいます。その後も漢方薬を継続し、約1年、肌はすっかりと元のきれいな状態に戻りました。

11慢性中耳炎と漢方薬

30歳の男性。3年前より右の耳がふさがるようになり、病院で中耳炎と診断された。抗生物質を飲むとよくなるが、しばらくすると再発するといいます。また、副鼻腔炎もあり、鼻も詰まりやすいとのこと。
体質は、神経質で良く悩み、手のひら足の裏によく汗をかきます。食事は大食で、お腹はよく張ります。また、吹き出物やおできもできやすいといいます。
漢方薬の荊芥連翹湯(煎じ薬)を調合。飲み始めて3か月後、耳のつまりや鼻づまりが減ってきたといいます。また、吹き出物も減ってきたといいます。そのまま漢方薬を継続すること1年、耳のつまり、鼻づまりもなくなり、再発しなくなったといいます。

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谷津吉美
専門家

谷津吉美(薬剤師)

有限会社むつごろう薬局

漢方医学を専門に23年。不妊症をはじめ各種女性の悩み・アレルギー・皮膚病・自律神経失調症などの症状に、深い知識で丁寧に対応。また静岡県立高校の進路指導講演会や不妊専門雑誌などで漢方薬を広めています。

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