一番怖いアルコール、たばこ、薬物などの依存症
先日ある元スポーツ選手が薬物依存で逮捕されたと大きく報道されました。薬物依存については低年齢化も進んでいて身近なものになっていると言われています。
薬物依存の怖さは、幻視(げんし)・幻聴(げんちょう)・身体幻覚(しんたいげんかく)や嫉妬、被害関係妄想(もうそう)などを主体とする中毒性精神病を合併してまともな判断ができなくなり、自殺しようとしたり、傷害や殺人などの凶暴な事件にもつながりやすくなることです。
依存で薬物中心の生活者になると、周りの家族にも依存しないと生活できなくなるため、その生活を支えるために、家族等周囲の人を不安に陥れて生活を支えるように仕向けたりします。
薬物依存の治療は依存者本人になりますが、その際、借金や事故や事件などの問題に対して、家族や周囲にいる人が問題を解決したり、先回りして手助けする事の無いように気を付けなければいけません。心配して手助けしてもその努力は無駄になり、依存者の薬物のための生活にいつの間にか巻き込まれて、ずっと依存者の生活を支え続けることにもなりかねないのです。
治療方法は、まず薬を断つことです。時には精神科病院に入院して、依存対象の薬物から隔離(かくり)することと、幻覚・妄想などの精神病症状を薬によって治療することが必要です。中毒性精神病を合併しない場合は、任意入院で対応しますが、本人が承諾しない時は、家族の依頼と精神保健指定医の診断によって医療保護入院で対応することも可能です。
薬物依存は、家族などが、自分の行っている余計な支援にきちんと限界を設けて、薬物依存の過程による各種の問題の責任を依存者自身に引き受けさせ、自分の本来あるべき姿(同級生の現状など)と現在の自分の姿を比較するなどし、このままではどうしようもないと自覚させることが断薬を決意させることにつながります。そして、断薬継続のためには、自助グループのミーティングに参加することが有効です。
病気に気付いたら、素人判断で対応すると重症化する可能性もあるので、薬を乱用している疑いがあれば、早期に薬物依存専門の精神科病院や精神保健福祉センター、児童相談所、教育相談所、地元警察署少年課などに相談することをお勧めします。
覚せい剤などの薬は回数を重ねるほどに、我慢が出来ない子供の性格(人格退行)になります。大事なのはそうなる前、早いうちに無理やりにでも止めることが大切です。
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