コラム
アルコールが引き起こすDVと共依存
2015年10月13日 公開 / 2021年3月24日更新
人の依存関係は、幼い頃自分を保護し、深い愛情で何でもしてくれた母親への依存から、大人になり独立した人格どうしが支え合う健全な依存へと移行していきます。
でも、時には成人していても、母親に対しての一方的な依存心がそのまま残ってしまう事があります。
たとえば、断乳した子供が、母親のおっぱいの代わりとして指しゃぶりをするように、大人の場合は、アルコールやたばこなどに依存したり、母親に依存するように人に依存してしまいます。
依存は、酒やたばこ、薬物などの物質はもちろんですが、買い物やギャンブル、万引き、仕事中毒などの行為依存(プロセス依存)や家族間などの人間関係にお互いに依存してしまう共依存も多くみられます。
共依存とは、親子、夫婦間、恋人などの人間関係に依存して、他人を自分の存在証明(他者に必要とされることで、自分の存在意義を見出す)的に依存してしまうことです。
アルコール依存は家庭内暴力(DV)をしてしまうことも多く、相手を自分の思い通りにしたいという気持ちの一方、相手に面倒を見てもらいたいという依存する気持ちも強くあります。
その場合、DV被害者も「この人には私がいなければダメ」と思い込んでいることも多く、ひどい暴力に耐え、その結果相手の暴力を助長してしまう共依存になる場合が多いのです。
依存症で大切なことは、自分が病気であることの自覚です。
このような関係の場合には、夫婦共に治療しなければ状況を変えることは難しく、なかなか改善されません。
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