使っていないIT周辺機器の電源コードはコンセントから抜いたほうがいいのか、そのままでいいのか?
目次
ニッカド、ニッケル水素電池からリチウムイオン充電池へ
●以前のコラムでパソコンやタブレットの寿命についてお話した際に、バッテリーについても少しだけ触れました。今回は、ノートパソコンのバッテリーについて、もう少し掘り下げてお話をしたいと思います。
●これまでノートパソコンのバッテリーにはニッカド充電池やニッケル水素充電池が多く使われていました。しかし重たい、放電容量が小さい、メモリ効果(実容量減少)が発生しやすい、低温下で性能が落ちる・・・などの弱点がありました。
●そこで、現在主流になったのが、ニッケル水素電池の弱点をある程度カバーできる「リチウムイオン充電池」です。
●今ではパソコンに限らずほとんどの機器類に使用されるに至っていて、自動車ではハイブリッド車、以前問題にはなりましたがB787型機など航空機にも搭載されるようになっています。重量が軽い、高容量の放電容量、低温でも安定動作する、追加充電が可能(メモリ効果が起きにくい)・・などのメリットが普及の要因になっています。
●最近のノートパソコンもこのリチウムイオン電池が使用されています。しかし、リチウムイオン電池にも実は弱点はあります。
2~3年程度でバッテリーは寿命を迎えてしまう
●最大の弱点は充放電回数に限度があるということです。これはリチウムイオン電池の特性によるもので、民生用のものは大体同じような傾向にあります。ニッケル水素充電池にも充放電回数に限界がありますが、材質の見直しなどで今では1,500回以上が可能になるなど、まだ技術革新は止まってはいません。
●リチウムイオン充電池は材質的に超高精度なものが必要で一定以上のかなりの高純度が要求される非常に製造が難しいバッテリーです。そういうこともあって現時点では民生用の充放電回数を飛躍的に向上させることは難しく、メーカーでは500回前後の充放電回数可能という取説の記載が多いようです。年数にすると2~3年といったところでしょう。
●要するに、2~3年程度でリチウムイオンバッテリーは寿命を迎えてしまうということなのです。寿命に近くなったバッテリーは、充電に時間がかかる、充電できなくなる、100%満充電表示になるのにすぐに切れてしまう・・などの症状がでます。
※同じメーカーの同じ形状のバッテリー。上がリチウムイオン充電池。 下がニッケル水素充電池。重さは実測でリチウムが400g、ニッケル水素が535gとリチウムが25%ほど軽い。発生電圧もニッケル9.6Vに対してリチウムが14.8Vと高い。
バッテリーの寿命が来た場合どうしたらよいのか?
●PCなどに限らずIT機器類のバッテリーはメーカーで定められている保守部品保有年数の期間内であれば、交換修理が可能。しかし、意外と高額な場合がありますので、事前に見積もりを取るようにしましょう。
●自分でバッテリーが交換できる機器ならメーカーのダイレクトショップや通販などから購入することが可能ですから、あわてる必要はありません。しかし、それでも純正品価格はちょっと高め。1万円~3万円程度となります。
●問題なのは、その部品保有年数を過ぎた場合や、その期間内でもロット在庫がなくなれば廃番となってしまうため手に入らなくなることです。
●そうなると入手は困難になり、どうしても必要な場合は中古などで探すことになりますが、あくまで中古品ですからどのくらい使えるのかはわからずある意味冒険です。
●その他の方法としては、モバイルバッテリーという手段があります。ノートパソコン用の高容量のものでは2~3時間程度は稼動できるようです。しかし、このモバイルバッテリーの方法では、電源が外部接続なのでかさばる、高価である、充電時間が長い・・など、内蔵バッテリーに比べて取り回しはよくありません。
※モバイルバッテリーという選択肢もあるが取り回しはよくない。
据え置き使用ならバッテリー交換は不要
●ノートパソコンの場合、外に持ち出すような使い方をしない据え置きの用途であれば電源アダプタのみで稼働可能です。バッテリー消耗や不良の表示が画面に出てくるので、交換しなければならないと思われるようですが、ACアダプタのみでも使用に問題はありません。
●警告などの表示が気になるようでしたらバッテリーを本体から外しておけばOK。UPS(無停電電源装置)の替わりにできなくなりますが、そのほかは特に問題はありません。
●特にパソコンが古い場合はバッテリーは既にほとんど機能失っていますので、据え置き使用ならできれば本体から外しておいたほうが良いでしょう。
バッテリーを外しておいたほうが長持ちする?
●ノートパソコンのバッテリーは外しておいたほうがバッテリーが長持ちする・・という話がネットなどでよく出ているようですが、停電などの際には装着していることで瞬時にバッテリー稼動に切り替わるため、UPS(無停電電源装置)として機能することが期待できます。
●大事な仕事などで使用しているノートパソコンは万が一を考えた場合、据え置き使用でもバッテリーはそのまま付けていたほうが良いでしょう。
●バッテリーの交換費よりデータが飛ぶほうがダメージは大きいということを忘れずに。
●特に大切な仕事などで使ってるノートパソコンのバッテリーは、経費を惜しまず消耗品と割り切って寿命が来たら部品保有年数の期間内に交換しておきましょう。
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