データ流出はなぜ起きる?今どき危険な3つの間違いと安全な消去方法

古賀竜一

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テーマ:知って得するITノウハウ


壊れたパソコンや古いスマホ、USBメモリ、SDカード、外付けSSD・HDDなどを処分したり譲渡したりする際、必ず問題になるのが「データ漏洩」です。

最近では「ゴミ箱に入れただけでは消えていない」「初期化だけでは復元できることがある」という話もかなり知られるようになりました。しかし、実際に“安全に消去する方法”となると、ネット上にはさまざまな情報があり、「本当にこれで大丈夫なのか」と不安になる方も多いと思います。

実際、やり方によってはデータが十分に消えておらず、中古機器や廃棄品から個人情報が流出するケースは今でも発生しています。

しかも現在は、従来のHDDだけでなくSSD、USBメモリ、SDカード、スマホ内部ストレージ、クラウド同期など、データ保存の仕組みが複雑化しています。昔ながらの「上書き消去」が通用しにくい媒体も増えました。

今回は、サポート現場でもよく見かける「データ消去でやってはいけない危険な3つの間違い」と、現在の機器事情に合わせた安全な消去方法を解説します。



1.「削除」や「フォーマット」だけで安心してしまう

Windowsやスマホでファイルを削除したり、初期化やフォーマットを行うと、見た目上はデータが消えたように見えます。

しかし、多くの場合これは「どこにデータがあるか」という管理情報を消しただけで、実際のデータ本体は残っています。

本で例えるなら、「目次だけ破り捨てた状態」です。本文ページはまだ残っているため、復旧ソフトを使えばデータは読み出せる場合があります。

特に注意したいのは、USBメモリやSDカード、SSDなどのフラッシュメモリ系ストレージです。

これらは内部で自動的に記録場所を分散する仕組み(ウェアレベリング)が動いており、単純な上書き消去だけでは完全に消えないことがあります。

昔のHDD時代の常識だけでは、現在のSSDやスマホには対応しきれない場合があります。

2.怪しい消去ソフトを安易に使う

ネット検索すると、「完全消去ソフト」「復元不可能」「無料で安全」といったソフトウェアが大量に出てきます。

しかし、中には広告目的や不審な配布サイト経由のものもあり、マルウェアや不要ソフトが混入しているケースもあります。

特に、

・過剰に高評価ばかり並ぶサイト
・広告だらけのダウンロードページ
・配布元が不明確なソフト
・不自然な日本語説明のあるサイト

などには注意が必要です。

一方で、オープンソース系や実績のある消去ツール、Linux系ツールなど、長年利用されているものもあります。

また現在では、WindowsやmacOSにも比較的安全な標準機能があります。

例えばWindowsでは、

・BitLocker暗号化
・「このPCを初期状態に戻す」
・diskpart clean all

などを利用した消去方法があります。

SSDでは、無料でメーカー提供ツールが使える場合があります。「Secure Erase」を使用して消去します。

大切なのは、「有名だから安心」「無料だから危険」ではなく、配布元や仕組みを理解した上で確認し、必ず完全に消去することです。

3.「回収業者に渡せば消してくれるだろう」という思い込み

パソコンやスマホを廃棄回収へ出せば、自動的に消去までサービスでしてもらえると思っている方も少なくありません。

もちろん、きちんとデータ消去証明まで行う専門業者もあります。しかし、すべての業者がそうとは限りません。

過去には、回収されたHDDが内部データ入りのまま中古市場へ流出した事件も実際に起きています。

実際のサポート現場でも、

「中古PCを買ったら前の所有者の写真や書類が残っていた」

という相談は珍しくありません。

特に注意したいのは、

・無人回収
・無料巡回回収
・知識の乏しい中古業者
・動作確認だけして転売する業者
・ショップや量販店の店員の横流し

などです。

現在はパソコン本体だけでなく、NAS、USBメモリ、SDカード、スマホ、タブレットなども情報漏洩源になります。

また、OneDriveやGoogle Drive、iCloudなどクラウド同期を使っている場合は、「端末を消去しただけでは終わらない」ケースもあります。

スマホでは、

・Apple ID / Googleアカウント解除
・端末初期化
・eSIM削除
・認証アプリ
・LINE履歴

などの確認も重要です。

安全なデータの完全消去方法とは?

もっとも確実なのは「暗号化+適切な消去」


現在では、単純な「上書き消去」ではなく、「暗号キーの削除」が非常に重要になっています。

例えばBitLockerなどで暗号化されたSSDであれば、暗号鍵を安全に消去することで、実質的にデータを読み取れなくできます。

これはSSDやスマホなど、フラッシュメモリ時代に特に有効な考え方です。

WindowsのPCの場合はBitLockerが有効であることを確認した上で、ドライブをフォーマットし、紐付けられている回復キーを削除(またはTPMをクリア)すれば、データの復元は極めて困難になります。

HDDは上書き消去が有効

従来型HDDでは、全領域へのゼロ書き込みなどによる上書き消去は現在でも有効です。

ただし、OS起動中のシステム領域などは消去しきれない場合があるため、専用環境や起動メディアを利用する方法が安全です。この場合も使用するツールはメーカーの専用ツールやLinuxなどが推奨されます。

SSD・USBメモリ・SDカードは「Secure Erase」や物理破壊も有効です。SSDやUSBメモリでは、単純な繰り返し上書きだけでは不十分な場合があります。

そのため、

・Secure Erase
・メーカー提供消去ツール

などで完全に消去する必要があります。故障しているSSDやUSBメモリなど、正常消去できない場合は物理破壊が現実的な方法になります。

物理破壊は有効だが注意も必要

HDDなら内部プラッタ、SSDならメモリチップそのものを破壊しなければ意味が薄くなります。

単にケースへ穴を開けただけでは不十分な場合もあります。

また、電子部品の破片飛散やケガの危険もあるため、安全対策は必要です。

企業などでは専用破砕機を使うケースもあります。

一般利用で「残存磁気」を過剰に恐れる必要は少ない


昔から「特殊装置ならデータを復元される」という話があります。

理論上は研究レベルで議論されることもありますが、現在の高密度記録媒体では、一般個人データをそこまでして解析するケースは現実的ではありません。

むしろ実際に多いのは、

・未消去中古機器
・初期化ミス
・クラウド同期忘れ
・アカウント解除忘れ

など、人為的ミスによる情報流出です。

最後は「信頼できる専門業者」が安心


自力で完全消去できるか不安な場合は、やはり専門業者への依頼がもっとも安心です。

特に法人利用や業務データ、顧客情報を含む場合は、

・消去証明書
・処理工程
・物理破壊証明
・情報管理体制

などを確認したうえで依頼することが重要です。

「捨てる前に初期化したから大丈夫」ではなく、「本当に読めない状態になっているか」を確認することが、現在のデータ消去では重要になっています。

不安な場合は、多少コストが必要でもやはり専門家にまかせることが最善の場合もあります。

筆者の実績 :http://www.kumin.ne.jp/kiw/#ss

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古賀竜一(システムエンジニア)

九州インターワークス

ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

古賀竜一プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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