USBのAコネクタ、プラグの方向を間違えずにパソコンのポートへ一発で挿す方法
USBのメリットとは?

USBはパソコンのインターフェースの中でも最も成功したインターフェースです。
その理由としては
○挿すだけで使用できる手軽さ
○多くの機器を接続できる(理論上127台)
※ただし電源供給は1ポートあたり容量の制限がある。
○バスパワード(電源と通信の一体化)
○比較的高速なデータ転送速度(USB2.0、3.0)
○広い普及度と機器対応
などが上げられます。
初期のUSB1.1規格は転送速度がおそかったのと電源規格が小さかったためトラブルの温床になっていました。そのあとUSB2.0登場以降は転送速度が高速になり電源規格も上がったため、実用的に十分な範囲のインターフェースとして拡がって行きました。
最近ではUSB Type-CやUSB4などの登場で規格も進化し、コネクタの種類も多様化。デスクトップPCはもちろんのことモバイル機器、家電、自動車にまで搭載されインターフェースの王座に君臨しています。
ところが実はUSBにも特有の弱点や問題点があります。USBは手軽さとメリットばかりが注目され、デメリットや問題点というものはなかなか理解がされていません。
パソコントラブル時には、USBに対する理解度が低いためにユーザーが起こしているものも少なくありません。トラブル防止のためにも、問題点や弱点について知っておいて損はありません。
USBの弱点、問題点はこれだ!「規格の混在」

現在でも、USB2.0ポートと3.0以上のポート、さらにUSB Type-Cポートが混在したパソコンは広く普及しています。
コンピュータの規格には一般的に「下位互換性」というものがあります。ですから以前のUSB1.1や2.0の周辺機器、デバイスなどはUSB3.0以上のポートでも問題なく動作します。場合によっては変換コネクタやケーブルでType-Cポートも使える場合もあります。
しかし、問題はその逆の場合です。
デバイスや周辺機器がUSB3.x対応の場合、PC本体側のUSB2.0ポートに挿しても使用はできます。ただし、USB2.0の設計状の仕様速度がボトルネックとなり、USB3.xの高速な転送速度は出ません。
ですから、USBの周辺機器などを使用する際は機器側のUSB対応規格と使用するポートとの対応を整合させる必要があります。
混在したUSBポートを正しく使ってメリットを最大限に

出張サポートなどでよく遭遇する場面があります。
パソコンにUSB3.xポートが2箇所しかないのに、すでにマウスとプリンタで埋まっていて、USB3.x対応のHDDを2.0の本体側ポートに挿して使用しているというユーザーがいます。これはUSBの効率的な活用をあまりにも無視していると言えます。パソコンの使い方としてはアバウトすぎな事例です。
USBに絡んだトラブルを誘発するのはこういった漫然とした使い方にも要因があります。
マウス、キーボード、プリンタなどは速度的にUSB2.0ポートで十分です。パソコン本体側の少ないUSB3.xポートを不用意に占有して使用しないようにするのが、上手なパソコンの使い方といって良いでしょう。
また、ポートが足りないからということでUSBハブを利用することがあると思います。その際にUSB2.0しか対応していない安価なハブを購入しUSB3.xポートにさしてしまうとそれがボトルネックになって転送速度は遅くなってしまいます。
ハブだけでなく、ケーブルも対応のものが必要です。多少高額になりますが、高速転送にはそれぞれに対応した規格のものを購入するようにしましょう。そうすることでボトルネックが生じることがなく快適な操作が可能になります。
●ボトルネックについては以下のコラムを参考にしてください。
「IT機器やパーツだけを最新規格にしてもボトルネックを解消しないとデータ通信・転送速度は改善しない」
https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/5102853/
パソコンのUSBポートが全部3.x以上でない理由とは

最近のパソコンではUSB3.xやType-Cポートが標準になっていますが、すべてのUSB端子が3.0以上とは限りません。デスクトップPCでは様々な理由から最新型であってもUSB2.0ポートが残されている機種も多く存在します。
主に以下の4つが理由になっているといえます。
1. キーボードやマウスには「過剰スペック」
キーボード、マウス、ヘッドセットなどの入力機器(HIDデバイス)はUSB 2.0の帯域(480 Mbps)でも完全に余裕があり、USB 3.0(5 Gbps?)以上には宝の持ち腐れになってしまうため、あえて残しているといって良いでしょう。
2.USB 3.0が発する「電波干渉(ノイズ)」の回避
これが実用上で最も大きな理由の一つです。
USB 3.0以降のポートやケーブル、コネクタからは、2.4GHz帯の周波数に干渉する激しい高周波ノイズが発生します。
USB 3.0ポートのすぐ近くにワイヤレスマウスやキーボードの2.4GHz無線レシーバー(ドングル)を挿すと、ノイズのせいで「マウスの動きがカクつく」「キー入力が飛ぶ」といった不具合が高確率で発生します。
ノイズの出ないUSB 2.0ポートを物理的に離して配置することで、ワイヤレス機器の通信を安定させています。
3. PC起動時やBIOS(UEFI)画面での「確実な互換性」
PCの調子が悪くなったときのOSインストールや、BIOS画面での操作など、システムの一番深い部分では「シンプルさ」が最大の武器になります。
USB 3.0以上を動作させるには複雑な制御コントローラー(xHCIなど)や専用ドライバーが必要ですが、USB 2.0はPCの基本システムだけでほぼ確実に動作します。
万が一のトラブル時に「キーボードが認識されなくてBIOSが操作できない」という事態などを防ぐための、セーフティネットとして残されています。
4. コストとマザーボードの「配線スペース」の削減
すべてをUSB 3.0以上にすると、製造コストが跳ね上がります。USB 2.0はわずか「4本」の配線で済みますが、USB 3.0は「9本」の配線が必要です。
すべてを高規格ポートにすると、マザーボード上の配線(パターン)が非常に複雑になり、ノイズ対策のシールド処理なども増えて設計・製造コストが高くなります。
「安くて配線がシンプルなUSB 2.0」を混ぜることで、価格を抑えつつ十分なポート数を確保しているのです。
USB 2.0が残されているのは、「ワイヤレス機器のノイズを防ぐ」「トラブル時に確実に動かす」「コストを抑えてポート数を増やす」という、非常に合理的で実用的な目的があるからなのです。
USBトラブルを避けるためには、刺さればいい、使えればいいといった漫然な使い方をしないことが必要です。
●次回は
USBは元々電源ではない!簡単便利なUSBに潜む弱点「電源供給の限界」を検証
https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/4007700



