普通の社員を、『稼ぐ社員』に変える方法!
先月に続き、『勝てる戦略。その作り方と実践』について、今回は、その具体的な事例を紹介していきます。
その前に、少しだけ先月のおさらいをしておきます。(表-①を参照)
「取り除く」、「減らす」とは、
ほとんど利益に貢献しないだけでなく、場合によっては、コストを押し上げる要因のことです。
また、全ての人時、コスト予算の生産性を低下させてしまうものを言います。
「増やす」、「創造する」とは、
お客や従業員の側から見て、価値や利益をもたらせてくれる要因のことです。
そして、「価値を創造する」は、お客や従業員が、今まで見たことの無いことや、体験したことの無いことを、商品やサービスの提供によって実現してくれるものを言います。
【表-①】
これから、実際に活用事例を紹介していきます。
■<事例-1> 「地域ダントツ一番」の青果部門、実現計画
スーパーマーケットの主要部門でもある、青果部門の強化をはかるという目的で、計画を立てた事例です。
ドラッグストアやコンビニエンスストアなど、他業態も含めた競争が厳しくなるっています。
その中で、部門支持率が高い青果部門の強化は、スーパーマーケットの差別化戦略を策定するうえで非常に重要であり、その実行レベルが店舗の競争優位性を左右することにもなります。
青果部門が強いスーパーマーケットは、日々の集客力を増すことにもなります。
そこで、「地域ダントツの青果部門」にすることを目標に、戦略を立てます。
重要なコンセプトとしては、「鮮度」と「味」のレベルを徹底して上げて、それを、日々お客に体験してもらうことです。
具体的な行動計画が、表-②になります。
【表-②】青果部門強化の事例
コスト削減については、現状のオペレーションの中で、ムダを無くし、それらのコストと人時を削減し、ベネフィットの拡大要件に振り分けるというイメージです。
『創造する』の道の駅は、地域で強い道の駅のイメージです。採れたての野菜や果物などが豊富に揃い、お客は、そこで「宝探し」さながらに、買い物を楽しみます。それを実現することを目指します。
結果として、お客の満足は基より、地域の生産者の売り上げ拡大、といった地域の活性化を実現します。
そのことにより、店舗も更に活性化することになるのです。
また、フルーツ・パーラーは、各種カットフルーツは勿論、フルーツゼリーやタルトやケーキといった、美味しい旬の果物を豊富に使った美味しいスイーツを豊富に揃える売場をイメージしています。
■<事例-2> レジ部門の人時生産性を向上させる⁉
「レジ部門の生産性」というと、曜日別・時間帯別に、適正人時を投入することだと考える人は多いと思います。当然、一番重要なことです。
この事例の場合、レジの稼働計画には、実績数値などに基づいた科学的人時投入を行います。しかし、各担当者の契約時間を優先した、余分な人時投入は一切行いません。
余剰の人時(人員)は、不足するスキルのレベルアップ教育や、更なるサービス向上のための課題の解決に向けて、人時を戦略的に投入します。いわゆる未来への投資です。
また、そのことと合わせて、「そもそも、レジで売上を立てられないか?」を考えます。
ギフト販売は勿論、コンサートやセミナーなどのチケット販売、地域の人気店の商品の予約販売など、アイデアを出し合って考えれば、地域を巻き込んだ、今まで取り扱っていなかった商品やサービスの提供で、売上(粗利益)を立てることも考えられます。
【表-③】レジ部門の人時生産性向上策の事例
■<事例-3> ムダなバックルーム在庫を削減する
ムダな在庫が、生産性を低下させることは、これまでも何回となく説明してきましたが、改めて具体的な行動計画に落とし込んでいきたいと思います。
作業の段取り上、必要な在庫がありますが、それ以外の在庫は少ないにことたことはありません。基本的には、ゼロを目指します。
在庫が無ければ、探す手間もなくなり、汚損破損の確率も低下して、全体として鮮度も高位に保たれます。
そして、何と言っても、バックルームの面積が少なくて済み、その分売場を広くとることが可能となり、不動産、人的、共に生産性は飛躍的に高くなります。
また、売場の死筋商品や販売ランクの低位品などの在庫が少なくなれば、売れ筋商品や戦略商品などの売場を拡大することが可能となり、更に生産性を高めることとなります。
【表-④】バックルーム在庫削減策の事例
新規商品の導入や売場展開を増やすことは、お客の支持を上げて売場を活性化させ、粗利益高を拡大する可能性が高くなます。
また、そのための作業をすることは、各担当者も楽しい経験をすることにもなります。
新しいチャレンジをすることによって、スキルもアップ(成長)することにも繋がります。
■<事例-4> 店長の生産性をアップする
言うまでもなく、店舗のマネージャーの行動(生産性)は、店舗の業績に大きく関わることになります。
良い結果を出せない理由の大きな原因は、リーダーが、戦略的視点で行動していないことにあります。
特に、ベネフィットの部分に注力して、重点的に時間を割り当てて行動することが求められます。
その中でも、日々のコミュニケーションやプロジェクト管理(フォローアップ)などは、メンバー全員の行動と結果に大きく関係します。
店長の適切な行動は、全体の生産性をアップさせることとなり、業績に直結することになります。
【表-⑤】店長の生産性アップ策の事例
■ 目標と期限の設定
以上のように、このフレームワークを使って、大小の戦略を立てていきますが、良い結果を出すためには、もう一つ重要なことがあります。
それは、目標設定(何処まで)と達成期限(何時までに)を決めることです。(表-⑥参照)
作成のポイントとしては、
①目標は、出来るだけ数値で表現して、それが無理な場合は、より具体的な表現を行う
②達成期限の表記は、スタートとゴールの時期を明確にする
そして、策定上のポイントとしては、
①短期で実現できることは、1週間程度の短期間に達成させる
②基本的に、1ヶ月から3ケ月程度の期間で期限を付けて考える
③達成に長期間を要するものでも、1月、3ヶ月、6ケ月などの達成目標を設定する
④重点課題(営業利益拡大)を優先する
などに留意して、策定します。
【表-⑥】目標と達成期限の設定表
また、最初は、課題自体を数多く設定しなくても構いません。
一つひとつの課題を確実に解決していくことが重要です。
慣れてくれば、課題を追加し、また、目標を徐々に高くすることを考えれば良いと思います。
目標が高ければ、より多くのパフォーマンスを生み、その経験は、個人とチームのオペレーション力を確実にアップさせることに繋がるでしょう。
そして、得られる結果も大きいものになってきます。
■ フォローアップと評価の重要性
事例4の『店長の生産性をアップする』のところで申し上げました通り、日々のコミュニケーションやプロジェクト管理(フォローアップ)などは、メンバー全員の行動と結果に関係します。
個人の課題に対して、本部や店長など上司のフォローアップは、重要な行動となります。
部下が何に取り組み、「何を実現しようと行動しているか」、「障害となっている課題は無いか」など、理解し、必要に応じてコーチングを行えるチームであれば、目標の実現可能性は大きく高まることになります。
また、評価という意味でも、実績数値だけではなく、プロセスを評価できる社内の制度作りも重要であると思います。
そのためには、年に数回の評価ではなく、日々細かなコミュニケーションとフォローの仕組みが重要であり、それ仕組みがチーム内で機能していることが、生産性を飛躍的に高くすることに繋がります。
リーダーの仕事の中で、重要なことは、部下の教育と訓練。
そして、部下の成長とチーム力アップの結果が、リーダーの重要評価(責務)であるのです。
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