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コラム

議事録に割印(契印)は必要か

企業法務

2018年6月27日 / 2018年7月19日更新

割印とは

 よくいただく「登記に使う議事録に割印は必要ですか??」という質問について考えてみたいと思います。

 議事録等の書類が複数枚にわたる場合に、全てが一連の書類であることを証明するためにページの間に押印するものを一般的に『割印』と呼びます。(袋とじをした部分に押印するものも割印と呼ばれます。)

 実際の正式名称は「契印」なのですが、一般的にページ間の押印方法を指すものとして浸透している呼名が「割印」ですので、当事務所も無用に混乱させないためにそのようにお客様にご案内しております。
 そのため、ここでは「割印」と呼ぶことにいたします。

割印は絶対必要なのか

 絶対かと言うと微妙な問題があります。
 「登記申請書」の取扱については、次のような条文があり、必ず割印が必要とされています。

(商業登記規則第35条3項)
 申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請書が2枚以上であるときは、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。

 しかし、議事録、就任承諾書などの登記に添付して提出する「添付書類」については、どこにも割印を要求する規定がないのです。

登記実務ではどうなのか

 当事務所では、押印者全員にページ間には割印を必ずしてもらうようにお願いしております。もちろんページ数が多くなる場合は、手間をかけていましますので、袋とじをするなどして押印数が減らせるように配慮をしています。

 もちろん、押印者全員の割印があれば、その点で法務局から何ら指摘を受けることはありません。

 では、割印がない場合は法務局は受付をしないのかというと、そうとも言えません。

(筧康生 神﨑満治郎 立花宣男 『全訂 詳解商業登記 上巻』 きんざい、2011 P197」)には『添付書類が数葉にわたるときは、枚葉の綴り目に契印をしなければならない旨の規定もないから、契印がされていないことを理由として却下されることもない。ただし、添付書類の文字が明らかに変造されている場合又は添付書類が数葉にわたる場合において各葉の間に継続性が認められないときは、添付書類の不備を理由として却下されることがある。』とあります。

 すなわち、場合によっては、割印がないことで却下するとしています。上記の偽造変造の恐れの判断や継続性が認められない等は法務局の主観の部分が多いにありますので、登記を不備なく終えるためには、割印をしていただくことが望ましいということになります。

割印は代表者だけで良いのか

 法務局のホームページには、株主総会議事録の押印について次のような案内がありますので、割印は必要であるが、記名押印者が複数いる場合は、うち1名が押印していれば問題ないとしています。

(法務局HP資料抜粋)
 『(注)株主総会議事録が複数ページになる場合には、各ページのつづり目に契印してください。契印は、議事録署名者のうち1名の印鑑で構いません。』

 しかし、当事務所では書類の真実性、偽造変造のないことを担保するためにも全員の割印が望ましいと考え、手間を承知でそのようにお願いしてご案内しております。

 登記の添付書類は、後々にトラブルになった際において証拠書類としても非常に重要なものになりますので、予防法務の観点から、登記手続きだけにとどまらず、何か問題が起こったとき、改めて確認した場合に価値のあるものを提供できればとの思いで常に執務をしております。
(問題が起こらないと、価値を体感できませんので、お客様にご理解いただくことが難しい場合もあるのですが。。)



【文責:司法書士 山 添 健 志】
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