中小企業憲章と会社法改正 ☆企業法務vol.3⑱☆

佐井惠子

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テーマ:企業法務




こんにちは、司法書士佐井惠子です。
オーナー経営者の会社経営の一番のメリットは、長期視点に立った経営判断ができること。
工場を大きくし、雇用を増やすという決断をされた、Y社長さん。
将来、会社をどうしたいかを考えたとき、今、連続赤字を出したとしても、
必要なことであれば、中小企業は、その決断ができる。
今日は、そんなお話しを聞く機会がありました。

上場会社では、決算は公表され、常に市場の判断を受けているため、
長期ビジョンに立った経営判断が必要であるのはもちろんですが、
短期の業績を全く犠牲にするということは難しいわけです。

その点、オーナー経営者の中小企業においては、大株主イコール社長であるため、
会社の長期ビジョンに立って考えたとき、短期的にはマイナスであったとしても、
社長の決断一つで、会社の舵を取ることができるのです。
そこに、中小企業経営のダイナミズムがあります。

平成18年の大改正により、
会社法は、上場企業のような、大会社を想定した規定を原則とするものから、
中小企業を想定し、その実態に合わせた規定を原則にした規定に変わりました。

4年後の、平成22年6月、中小企業憲章が閣議決定されました。
そこでは、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。」とし、
「中小企業は、経済やくらしを支え、牽引する。(中略)
意思決定の素早さや行動力、個性豊かな得意分野や多種多様な可能性を持つ。」
としています。

以前より、中小企業憲章の勉強をさせていただいておりましたが、
先のお話しを聞いて、中小企業を中心に据える会社法の改正と、
中小企業憲章の閣議決定が繋がりました。

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