50代からの暮らし安心塾 クレオ大阪南 第1回報告 ☆遺言・相続vol.9⑲☆
みなさん、こんにちは。司法書士 佐井惠子です。
相続人が存在しないとき、遺産は国庫に帰属するとお話したことがあります。
ところが、その遺産が共有持分であった場合は、国庫ではなく、他の共有者に帰属することになります。
民法の、「相続」編のどこを探しても、そんな条文は見つかりません。
実は、ぽーんと離れた「物権」編の「共有」の規定に、こっそりと「相続人」の言葉が出てきます。
民法第255条
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がいないときは、
その持分は、他の共有者に帰属する。
相続人がいない場合、相続財産管理人の選任をして公告をし、
次いで、被相続人に対する債権者はいないか、遺言で財産を贈られている受遺者はいなかいかを最短2ヶ月公告し、
更に更に、相続人捜索の公告を最短6ヶ月して、
だれも現われないときに、
それから3ヶ月以内に、生計を同じくしていた者や、療養看護に努めた者、
その他特別の縁故があった者から、相続財産分与の申立がなかった時に、
初めて、その相続財産は国庫に帰属します。もちろん、換金の後です。
でも、ある日突然、国庫に入れるから亡き共有者の持分を買ってくれと言われましても・・・。
ということで、共有独特の事情によるものですが、
その財産が共有の場合は、例外的に共有者に帰属するわけです。
ただ、共有者のもとにたどり着くまでの、時間とお金が・・・大変ですね。
同じなら、遺言があれば良かったと思いませんか。
司法書士佐井惠子
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