相続税より怖いもの（その2）☆遺言・相続vol.2⑳☆

みなさん、こんにちは。司法書士　佐井惠子です。
前回、相続税を心配しないといけない人は、ほんの一握りだとお話いたしました。
ところが、相続は事情が違います。人ごとのように考えていると、大きな落とし穴にはまります。

「預貯金が少しある程度だから。」とか、
「自分の財産はマイホームだけで、あとは特に財産らしいものはない。」という言葉をよく耳にします。
これには、
「・・・だから、すべて配偶者が相続するしか仕方がない。」とか、
「・・・だから、同居の自分が相続するしか仕方がない、他の兄弟も、他にないものをとやかく言えないだろう。」と、続くのでしょう。
本当にそうでしょうか。

平成20年の司法統計によれば、
平成20年中に家庭裁判所で調停成立や認容された遺産分割事件は、全体で7413件あります。
そこで解決しないで、裁判官の判断を仰いだものは除いています。
相続税と同様に、殆どが億単位の遺産争いだと思いそうですが・・・。

7413件の内訳は、資産1000万円以下の事件が、1991件。
資産5000万円以下が、3400件。
つまり、1円以上5000万円以下の遺産争いが72．7％を占めています。
しかも、この統計の額は、事件解決時の積極（プラス）財産の合計で、
いくらローンがあっても、それをプラスの財産から差し引いていませんし、時価で算定します。

一方、相続税では、プラス財産からマイナス財産を差引しますし、そもそも時価ではなく、もう少し安い路線価等で算定します。

相続問題、だんだん身近になってきましたね。
それでもまだ、「分けようがないから仕方がない。」と、思っている方、
「代償分割」ってご存じでしょうか？

司法書士佐井惠子