地震が起きたら大阪平野に安全な場所はない。
木の棒と鉄の棒を振ってみて分かる事
プロ野球も交流戦も後半戦に入り、セパ両リーグとも首位争いが混沌としています。TV中継を見ていて投手の球速ばかりに目が行きがちですが、打者のバットスウィングの速さも驚きの速さです。素人では半分のスピードも出せないでしょう。
さて、このバットですが、全部が鉄で出来ているとどうでしょうか。プロの選手でも木のバットほど早くは振れませんよね。
物を動かす力は、動く物が重いか軽いかによって力の大きさが変わるのです。
人が動かすのであれば、木より鉄の方が動き難くいので、鉄の方が頑丈な気がするのはその為です。しかし、地震の場合はこの重さが逆効果となってしまうのです。
地震の力は木も鉄も同じ速さで動かします。
地震の力は膨大です。大地震になると、人が作り出すエネルギーのどれよりも大きなエネルギーが発生します。鉄であろうが木であろうが、同じ速さで動かしてしまうのです。
地震は動きっぱなしでは無く、振幅周期のある振動です。一旦モノが動いた時、何も抵抗しなければ、地震の力が逆に触れた時にパタンと倒れてしまいますよね。建物は倒れたら意味がありませんので、抵抗する様に作られています。
その時、木のバットを止めるのと、鉄のバットを止めるのでは、どちらに大きな力が必要でしょうか?
木の方が小さな力で揺れを止める事が出来るのです。
木造の家が地震に弱いのは構造を勘に頼っているから
実は、木造の方が鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりも、地震には強いのです。木造の方が鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べ僅かな力で建物の動きを止める事が出来るのです。
しかし、実際には木造家屋の方が多く被災しています。これは何なのでしょうか。
実は、木造の建物の構造は、大工さんの経験に頼ると云う慣習があり、建築基準法もこれを踏襲しているのです。建築基準法が制定された昭和26年当時であれば、複雑な木構造の解析技術も発達しておらず、大工さんの経験に頼ると云うのも仕方のない時代だったのですが、70年経った現在では木構造の解析技術も、基準法制定当時とは比較にならない程発達しています。
しかし、法律が変わっていないので、未だに木造は構造計算を行わず家が建てられているのです。これが、大地震が発生する度に木造家屋が倒壊する大きな原因です。