地震が起きたら大阪平野に安全な場所はない。
増える一方のリビングの広さの要望
新築・リフォームを問わず、リビングを広く取りたいと云う要望が増えています。
昔の間取りは、台所・食堂・居間と機能が分化していて、構造的にも壁が取り易かったのですが、マンションでLDKの発想が普及して、居間からキッチンが丸見えでも抵抗が無くなって来たのにつれて、木造住宅でも20帖を超える様なリビングが欲しいと言う要望が増えました。
LDKはLDKで構わないのですが、下手な間取りを造ってしまうと、地震に弱い家となります。LDKにした為に、地震に抵抗するのに必要な耐力壁が取れないのです。
広いリビングは法律で許されるギリギリの安全性しか確保されてい
それでも、戸建て住宅のチラシには、20帖を超えるLDKが見られます。それは、地震に弱いのは判っているが、法律で認めているのだから、問題はないとする見解が、危険な間取りを許しているのです。
現在の建築基準法の構造の安定性に関数基準は、建物が壊れない事を基準にしていません。人の生命を守る事を基準にしているのですが、これについても70年前の法律を踏襲している為現状に合わず、想定外の地震が頻発する昨今では、生命の安全すら守れず、「基準通りに建てているのだから、倒壊しても施工者には責任はない」と云った、言い訳作りの基準にしかなっていないのです。
施工者の言い訳を守るに似た法律のみを、有難く信じている現状を怖い事だと認識してください。
リビングは狭くても快適に暮らす事は可能
人が空間を占有する広さは畳一帖あれば大体の事は可能です。幾ら広い部屋にいても、部屋全体を独占している人はいません。広い部屋になるほど指定席みたいな場所が出来上がり、そこから動こうとしません。
何故広いリビングが必要なのでしょうか。それは、リビングが散らかる空間だからです。リビングは人が集まる分持ち物も入り込んで来ます。人の持ち物は手近なところに、置いておくのが最も便利です。その為リビングにモノが集まり、散らかって行くのです。
だから、リビングを広くしたいとなるのですが、これは、言い換えればリビングが広がれば広がる程、散らかるスペースが増えるだけなのです。
極言すれば、大きなゴミ箱をリビングと呼んでいるに過ぎません。
逆の発想をすれば、リビングは小さくても、近くに広い納戸があれば、リビングは広く無くても快適に過ごせるのです。
構造的にもリビングと納戸を区画する事で、耐力壁の確保が容易になり、地震に強い家を造る事が出来ます。