地震が起きたら大阪平野に安全な場所はない。
耐震性能は数値で比較出来る性能ですが・・・
耐震性能は建築基準法により、計算方法が定められています。すなわち数値で性能が確認出来るのです。
また、住宅の品質確保促進に基づく法律(品確法)では耐震等級を定めています。
耐震等級1=建築基準法で定める耐震性能と同等
耐震等級2=建築基準法で定める耐震性能の1.25倍
耐震等級3=建築基準法で定める耐震性能の1.5倍
となります。
耐震性能は、数値で表現する事ができますので、大手住宅メーカーや町の工務店に関わらず、建築主が施工者に性能をリクエスト出来るのです。
しかし、耐震性能と云うのは、間取りや外観によっても、性能が左右されますので、同じ間取り、同じ外観で比較しないと、どのメーカーがどれだけ優れているとはいえないのです。
例えば、正方形のサイコロの様な住宅で、バランス良く耐力壁が配置されている間取りであれば、特別な工夫をしなくても、耐震性能は向上します。逆に凸型や凹型の様な間取りの家であれば、地震の際に歪な揺れ方をしてしまいますので、耐震性能が落ちてしまいます。
耐震性能は、数値で表現出来る性能であるにも関わらず、ハウスメーカー各社が、同じ間取り、同じ外観で、構造計算結果の数値を示して丈夫さを表さない限り、比較は出来ないのです。
「何もリクエストしなくても、このメーカーなら安心だ」はありません。大和ハウスの様な超大手の住宅メーカーでも、欠陥住宅を建てているのです。
積極的に性能をリクエストしましょう
耐震性能は数値ではっきりと表す事が出来ますので、耐震性能をリクエストする事こそが、耐震性の高い家を手に入れる唯一の手段です。
品確法では耐震等級3(建築基準法で定めるよりも1.5倍の強度を有する性能)までが規定されていますが、建築基準法の2倍の強度にしてくれ、などとリクエストするのは自由です。
建築基準法で定められている、計算方法で安全を検証すると云う事は、どういう事かと云いますと、地震時に建物に加わる力に対して、その家がどれだけ耐震性を持つかを検証するものです。
地震で、10と云う力が加わった時に、家の耐震性能が12だった場合、12/10=1.2となり、国が想定している地震より0.2だけ余裕があるので安全だとなります。逆に10と云う力が加わった時に、家の耐震性能が9しかなかった場合、9/10=0.9となり、国が想定している地震より、0.1及ばず危険となるのです。
何もリクエストしなければ、限りなく10に近い耐震性能の家しか建ててもらえません。何故ならば、耐震性能12の家の方が耐震性能10の家より高くついてしまう為です。
施工者は、建築主に対し、安全な建物を提供するのと同時に、1円でも安く住宅を提供する使命も負っているのです。そうしないと、価格競争に負けてしまうのです。
これは、大手メーカー、町の工務店に関わらず全ての業者が相反する条件の中で葛藤しているのです。
住宅メーカーの耐震性能は信用出来るか
地震に強いと宣伝している住宅メーカーのCMを数多く見受けますよね。どのCMも地震に強い印象を与えています。確かに何も宣伝していないメーカーより、耐震性に熱心な取り組みをしているとは思います。
しかし、震度7の揺れに何回耐えたと宣伝されても、どの地震のどこで観測した地震波を用いて検証したのかを開示しないと信憑性が高くありません。なぜならば、同じ震度7でも倒壊する震度7と倒壊しない震度7があるからです。
https://e-ie.org/menshin.html
つまり、この手のCMは、何がどう良いのか説明せず、超有名な俳優を使って、「大好き」とか「すごい」とかを連発して、売上を伸ばしている拡大鏡メーカーのCMと、大して変わらないと云うのが私の印象です。