リフォームの断熱
断熱材だけでない断熱化
断熱効果の高い家の宣伝を見ていると、他社と差別化を図るために壁の中に入れる断熱材を強調して宣伝しています。断熱材は繊維系断熱材や発泡系断熱材等々多種多様に渡り他社との差別化が簡単な為です。
その為、一般の方から断熱に関する問い合わせの多くは、断熱材についての問い合わせです。非常に研究熱心で各種断熱材の長所短所を良くご存じで、調べ上げた挙句どれにしようか判断がつかず、相談メールを寄せられると言うパターンです。
当然ながら性能の良い断熱材は値段が高く、性能の劣る断熱材は値段が安いですが、断熱材の選定には、専門家はそれほどこだわりません。理由をたとえ話しにすると、大阪から東京へ行くのに飛行機を使うか新幹線を使うか程度の差しかないのです。移動時間は飛行機が勝りますが、目的地から目的地までのトータル時間は殆ど差がないのです。
壁から逃げる熱は多くない
こだわらないもう一つの理由は壁から逃げる熱の量です。壁の断熱材の熱貫流率は性能の悪い断熱材でも0.045W/㎡・Kです。数値が少ないほど断熱効果の高い事を示しています。それに比べ窓の熱貫流率は性能の良い窓でも2.33W/㎡・Kです。なんと50倍近く窓の断熱性能は悪いのです。窓の面積は全外壁面の25%程度しかありませんが、窓の性能が家の断熱性能を左右すると言っても過言ではありません。
しかし、性能の良い窓は値段が高いのも事実で、お金がないと断熱性能の高い家に住めなくなってしまいます。なんとかしないと・・・・・
窓の断熱効果を高める方法
熱には、伝導熱・対流熱・輻射熱の三種類があります。ホットカーペットが暖かいのは伝導熱のお陰です。ひなたぼっこが暖かいのは輻射熱のお陰です。ファンヒーターが暖かいのは対流熱のお陰です。
窓からの熱の進入は輻射熱と対流熱です。(単板ガラスの窓であれば伝導熱も進入します)
輻射熱はホームセンター等で、金属を蒸着させたフィルムを買って来てガラス面に貼ると効果を発揮します。自動車の窓ガラスによく使われていますので効果を実感されている方も多いかと思います。
対流熱ですが、部屋の中の暖かい空気が冷たいガラス面に接触する事により熱を奪われます。ですのでガラス面に直接部屋の空気を触れさせない様にするのが最も効果的です。
写真は、窓ガラスの手前にアクリル樹脂製の障子を設けた例です。障子を設けることにより、部屋と窓の間に空気層を作ることになり、部屋の暖かい空気が直接窓面に触れる事を防ぎます。その結果対流熱による損失を防ぐ事ができるのです。
障子から入る光は太陽光を乱反射させ明るさを部屋の奥まで伝える効果も持ち合わせます。天気の良い日は暖房や照明が不要な空間が出来上がります。
障子は和室だけのものでなく、リビング等にもデザイン次第で活用できる有効な断熱材なのです。インテリア性にも優れ、リビングを快適な空間にしてくれます。
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