古代地図と軟弱地盤
同じ震度でも壊れる家と壊れない家があります。それも古い・新しいは関係がなく一様に壊れる時は壊れるようです。では壊れる壊れないの違いはどこで起こるのでしょうか。
子供が公園でブランコに乗っています。初めは親が背中を押さないとブランコは動きません。でも少しブランコに慣れてくると一人でブランコを漕げるようになります。それも力の強い弱いは関係なしに足をブラブラさせるだけで振り子がどんどん振れて行きます。
これは振り子が振れるタイミングと足を動かすタイミングが合っている為に、いわゆる共振を起こして振り子の振れが大きくなっていくのです。小難しく物理用語を用いますと固有震動周期が合っている為に発生する現象と云う事になります。
この固有震動周期は個体であればすべての物体が持っているものです。当然ながら家にも固有震動周期があります。一定のリズムで力が加わり続けると、共振を起こして振れ幅がどんどん大きくなります。そしてその物体の弾性限界を超えたところで変形が始まり降伏点を超えたところで破壊が始まるという事になります。
話しを簡単にしますと、木造住宅が共振する地震波の周期は1~2秒程度の地震波です。震度が小さくても長く続けば建物は共振して倒壊の可能性があるという事です。今まで1~2秒の綺麗な正弦波が長時間に渡り、建物を襲った記録がありませんので震度2とか3で倒壊した事例はありませんが、可能性としては倒壊する事も有り得るのです。
今から20年前でしたら、木造の耐震補強と云えば筋交いを入れる事しかありませんでした。筋交いばかりを施した家では筋交いの家の持つ固有震動周期と地震波の周期が一致すれば倒壊する危険性は一機に高まります。それを避けようと思えば、筋交いばかりに頼らす他の耐震装置も併用する事です。様々な地震波に抵抗出来る耐震補強とすることが重要になって来ます。