お金を掛けずに地震に強い家にする方法
下の表は熊本市が発表している住宅の耐震化率を表す表です。
木造住宅の場合、耐震化率は66.7%で全国平均を下回ります。
今朝の読売新聞で、建物の応急危険度判定の結果が掲載されていました。熊本県内7市町村11,300件の調査が終わり、「赤」(危険)が4,062件。「黄」(要注意)3,500件。「緑」(調査済)3,738件でした。統計的に見れば「緑」「黄」の件数と耐震化率の割合はほぼ一致しており、耐震化されていない建物が大きな損害を受けた事になっています。
ここで注目したいのは、「黄」と判定された建物が3,500件あったという事です。黄色は中破である事を示し、単独で家屋内に入ったり、長時間滞在する事は危険とされている建物です。
政府が発表する耐震化率は昭和56年6月以降に建設された建物や、それ以前の建物でも耐震改修が完了した建物の累計です。昭和56年以降に建てられた住宅でも、半数近くが住めない状況にあるのです。倒壊は免れていますので人の命を守ると云う基本的な役割は果たしたと云えますが、住み続けるには相当な費用が必要だという事です。
昭和56年に建築基準法の大幅な改正がありまして、それ以降の建物を新耐震構造と呼ぶようになりましたが、実は木造住宅では、地震に抵抗する力を割り増ししましたが、木材の接合部を金物で緊結する事はせず、釘止めが認められていました。木造の接合部を釘ではなく、金物で緊結する様になったのは平成14年以降です。
今年で14年が経過しましたが、統計だけで見ると平成14年以降の建物が「緑」判定を受けた事になります。人々が安心安全と考える、実質的な耐震化率は30%程度であるという事です。