上町断層帯の危険な兆候
地震は周期的に発生します。
ただ、その周期が人の寿命と比較して、倍程度の周期で発生しますので、地震の恐怖が伝承されません。
東海・東南海・南海地震は三つ子の地震として、ほぼ同時期に発生していました。概ね100年から150年の周期です。最近のこの地域の地震は、昭和21年に南海地震が発生しており、その二年前には東南海地震が発生しています。しかし、この時は東海地震は起こりませんでした。この前の東海地震は安政年間に発生していますので160年ほど沈黙している状態です。
周期にばらつきがあるのは、沈降するフィリピン海プレートと乗り上げているユーラシアプレートの摩擦抵抗のばらつきと考えられています。同じプレートでも良く滑るプレートと滑りにくいプレートがあるようで微小地震が群発する地域と地震が発生しない地域とに分かれています。特に沈黙している場所をアスペリティーと呼びプレート同士が固く結びついています。アスペリティーの回りで発生する地震をスロークウェークと呼び、最近ではスロークウェークを観察することである程度地震の予知につながるのではと注目されています。
地震の予知が最近は、一昔前に比べ大きく進んでおり、緊急地震速報等も充実しています。一か月前の奈良を中心とした巨大地震の緊急速報には驚きましたが、その様な空振りがあるにせよ、何も知らずに突然襲われるよりも遥かにましかと考えます。
ただ一つ、恐ろしいのは、同じ規模の地震でも過去の地震よりも現代の地震の方が、被害が大きくなっていることです。
地震の恐怖を忘れ、地震が発生すれば被害が大きくなってしまう場所を住宅開発し、人が住むようになってしまった為です。江戸時代でも大地震は何度か発生していますが、死者は全て数千人規模に留まっています。関東大震災は10万人の死者を出す大参事でしたが、地震の規模だけ見ると江戸時代に発生した地震よりも同程度か小さめの地震でした。今後予想されている南海・東南海地震では予想死者数は最大で30万人に及ぶとされています。
独立行政法人「防災科学技術研究所」がハザードマップを公開しています。
http://www.j-shis.bosai.go.jp/
自分が今住んでいるところの地盤がどうなっているのか、凡その検討がつきます。
ご興味のある方は一度見て下さい。