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コラム
耐震装置と特許
2013年7月23日 公開 / 2014年5月23日更新
仕事柄色々な建築関連のセールスを受けます。最近目立つのが耐震グッズ。
ちょっとしたアイデア商品から、家の構造体に影響する様な耐震装置まで様々です。そして殆どのパンフレットに書かれているのが、特許申請済みとか特許出願中の文字です。営業マンも特許を強調してセールスしてきます。
特許申請出来るくらい優れた商品だから間違いないと言わんばかりです。
実はこの特許、製品の性能とはあまり関係がありません。またまた「実は」の話しですが、私も耐震グッズで特許を出願しています。
トラックの荷物を固定する荷締機を窓にタスキ掛けして引っ張ると簡易耐力壁になると云うものです。計算上ですが、一間半の窓があればこの装置を取り付けると、半間の耐力壁と同じ効果があります。
価格はホームセンターへ行けば二本5000円程度で手に入ります。取り付けを自分で行えば5000円で耐震壁一つ造れることになります。
特に何かを発明した訳ではありません。既知の技術を利用して未知の使用法を考案したのです。これだけで特許出願出来ます。また弁理士さんに依頼しなくても特許庁の各出張所に行けば出願方法を丁寧に説明してくれます。特許出願までに数回足を運ぶだけで特許出願しました。
その程度の品物を、営業マンを使ってさも高級そうに数万円の価格をつけて売りに来ます。
そもそも特許とは、個人または企業の知的財産権を明確にする法律で、特許対象の性能を保証する法律ではありません。本来製品の性能の保証を考えるのであれば、国交大臣の認定を受けるか、国交省外郭団体や大学の試験所で性能試験を受けて相応の評価を受けないと性能は保証されません。
一般の人に直接耐震グッズを売りつける事は無いかとは思いますが、特許申請とはそう言う程度のものなのだと認識しておいて損はないと思います。
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