気になる上町断層

福味健治

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テーマ:【免震住宅・地震対策】

本日、応急危険度判定士の更新講習会がありましたので参加しました。
応急危険度判定士は、被災した家屋の応急的な危険度を判定するもので、建物の健全性を診断するよりも、人的な二次災害を防ぐ事を目的としています。

講習そのものは、前回と同様で特に変わった事はありませんでしたが、私が最も注目したのは、大阪府の防災担当者が、上町断層に注目している事です。東海・東南海・南海地震は周期的に発生しますので、プレート境界型の地震に過敏になるのは判るのですが、いつ発生するか判らない直下型地震に対して警戒心を持っているのは衝撃でした。

上町断層の、今後30年以内に発生する確率は3%前後ですが、阪神大震災の野島断層は0.2%でした。また、上町断層は8000年程度の周期で発生すると考えられていますが、前回動いたのは9000年以上前と見られています。前回発生してから現在に至る時間を考慮した確率論的な発生確率は70〜90%になります。

上町断層が動けば大阪は壊滅します。津波は恐らく起こらないでしょうが、淀川と大和川水系のデルタ地帯の町ですので、地下構造物の水没の危険性は十分にあります。阪神大震災の時も神戸電鉄の「大開」駅(地下施設)が崩壊しています。「大開」の悲劇が淀屋橋で起これば大川直下にある駅構内に水がなだれ込みます。
液状化も広範囲で発生して建物を倒壊に至らせるでしょう。また液状化により地下工作物の隆起も考えられるでしょう。
インフラやライフラインに大きな打撃を受けますが、一般の住宅はもっと深刻です。耐震改修工事はおろか耐震診断さえ受けていない建物が殆どです。地震が発生してしまえば、頼りに出来るのは自分自身のみです。家族の命を守れるもの貴方自身です。

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福味健治(一級建築士)

岡田一級建築士事務所

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