古代地図と軟弱地盤
コンクリートの強度は水とセメントの比で決まります。水は地球では気体・液体・固体のかたちで存在しますが、セメントには液体でしか反応しません。春や秋は気候が良いので、コンクリートの中の水は液体であり続けますが、真夏や真冬は気体や固体に変化しかねません。その時のコンクリート強度はどうなるのでしょう。
コンクリートの強度は設計図書によって、基準強度が定められています。設計図書で定められてある強度を生コンプラントに発注しますと、プラントはその季節に応じてコンクリートの強度発現を考えながら強度を補正します。
冬の寒い時期には強度の発現が遅くなり、建築工事に支障を来しますので、設計図書通りの強度を出そうと思えば、基準強度よりも少し大きく強度が発現するようにセメント量を増やします。この事を温度補正と呼びます。
プラントは季節やその地方で過去に打設したコンクリートの強度がどの様に発現するか知っており、また数学的に標準偏差法等を用いて、基準強度以下になってしまわない様に細心の注意を払います。
そして念のため、コンクリートのサンプルを採取して、一週間後と四週間後に破壊試験を行って、実際にどれくらいの強度が出現しているか確認します。
木造の基礎程度であれば、検査機関も破壊検査を要求しませんので、配合報告書程度でお茶を濁す場合が殆どです。しかし今後予想される大地震を考えると、やはり我が家のコンクリートはどの程度の強度なのか数値で抑えておいた方が安心出来るかと思います。工事請負契約の際にはコンクリートは破壊試験をして下さいと念を押しましょう。