大阪で最も効果的な断熱材の選択

福味健治

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テーマ:【エコ住宅】

断熱材の選定はプロでも悩む問題です。実際の選定方法は建設現場の特性に合わせるのが最も適した方法で断熱材の知識と、施工経験が成否を分けます。断熱材メーカーの示すカタログデータだけでは決められません。

大阪近郊に限定して云えば、こうすれば概ね間違いが無いと言う選定は存在します。あくまでも私家版ですが、数多くの施工経験からこれが良いと考えた材料を述べます。

床下:基本的に床断熱は考えず、ポリスチレンボード40mmの基礎断熱で考えております。地熱を基礎の耐圧版に吸収させ、それを室内環境保持に活かせると考えているためです。基礎断熱ですが、外断熱とせず内断熱を考えています。内断熱の方がメンテナンスしやすく、蟻害の恐れも無い為です。

壁:グラスウール16k100mmの内断熱を考えております。グラスウールは最も普及した材料で供給コストが、安定しているためです。HPで検索していると、断熱材メーカーではなく、施工者が、グラスウールの批判をしている記事を目にします。断熱材メーカーであれば、自社の製品を売らんが為の行為で理解出来るのですが、施工者がグラスウールの無用性を説くのには違和感を感じます。
鉱物性繊維の危険性や、経年変化による上部の隙の問題や、壁面内結露の問題等です。これらの批判を私が読むと「私はグラスウールの施工が下手です」と言っている様に読めてしまいます。グラスウールの鉱物繊維の危険性は、グラスウールの袋を破る為に出てくる問題です。問題と言っても、ガラス繊維アレルギーの人が皮膚に発疹を出す事が稀にある程度です。袋を破らなければまた、破って施工する必要があっても、テープで補修すれば、この問題は発生しません。
上部の隙は確かに発生しますが、これはウール断熱やセルロースファイバーにも見られる現象です。発泡系断熱材の様なもので断熱すれば解消されますが、価格と施工性でグラスウールに敵いません。
壁面内結露にしても、防湿層と石膏ボートの間に隙間を作ってしまう為に起こる現象です。それをしてグラスウールの無用性を訴えるのは、グラスウールの入れ方が下手だと言っている事にほかなりません。
温熱環境の大家で専門家向けに解説本を何冊も出している東北地方の設計事務所の先生もグラスウールの有用性を説いておられます。北海道の大学のK教授は発泡系断熱材の危険性を警鐘しています。私は断熱材は全ての製品に一長一短があると考えていますので、部位によって材料を分けています。

屋根:外断熱でフェノール樹脂系の発泡断熱材の断熱材を80mmの厚さで施工します。グラスウールと比較して倍くらいの価格がしますが、同様の性能をグラスウールで得ようと思えば厚みが3~4倍になり屋根断熱材としては現実的ではありません。関西地区の場合、夏場屋根面は全外壁面の3倍程度の日射量を受けます。ですので夏の暑さに対処しようと思えば、何を差し置いても屋根の断熱に費用を掛けなければなりません。

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福味健治
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福味健治(一級建築士)

岡田一級建築士事務所

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