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コラム
木造免震住宅は、揺らせることよりも、固定する方が難しい
2012年4月17日
●木造住宅とその他の構造の免震支承(装置)の違い
免震支承は国交省告示で「ゴム」「滑り」「転がり」の三つに大別されています。
木造とその他の構造で何が違うのかと云いますと、重さです。木造住宅の重さは平米当たり2ton程度ですが、鉄骨造で5ton前後、RC造で10ton前後になります。階数にもよりますが木造は他の構造に比べて極端に軽いのです。その軽さに対応出来る免震支承は「転がり」が最も有利です。
「ゴム」「滑り」は重い構造の時に有効ですが、軽い構造の場合は有効に免震してくれません。
軽い構造の免震装置は、摩擦係数が低いほど有効に免震します。
●摩擦係数が低いと固定するのに苦労する
軽い構造でも、地震時に免震装置を有効に作動させようと思えば、摩擦係数が少ないほど有利ですが、摩擦係数が小さ過ぎると、地震以外の力に対しても建物が動き出します。港に浮かんでいる何万トンものタンカーが小さなタグボートに曳航されるのと同じ様に、摩擦係数が小さければ、そよ風が吹いただけで、ゆらゆらと動き始めます。こんな装置では家酔いを起こします。
●地震以外の力では作動しない免震支承が必要になる
木造免震住宅の場合、家を揺らす装置が必要なのは当然のこと、家を固定させる装置も必要になるのです。しかも、地震はいつ発生するか判りません。地震が発生した時電気等の外部からの力に頼る事も出来ません。外部動力に頼る事無く自律する固定装置が必要になるのです。繰り返し発生する余震にも対応し、動力に頼らなくても作動する固定装置こそが、木造免震住宅の生命線です。
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