床下断熱と基礎断熱

福味健治

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テーマ:【エコ住宅】


●床下断熱
建築基準法では床下は一定の大きさの換気口を設けて、外気と一体になっていなければならないと規定されています。
昔の建物には床下換気口が外からでも見られました。今の家はネコ土台(基礎パッキン)を用いますから最近の新築では床下換気口は見なくなりましたが、大多数の家は法の精神に則り床下を外気と一体にさせて床下に湿気が溜まらない様にしています。
となると床の断熱は、床面で行うのはセオリーとなります。


●イレギュラーな基礎断熱
では、基礎断熱は何故合法なのかと云う話しになりますが、法的には基礎断熱の家は床下が無いのです。誤解を防ぐ為もう少し詳しく説明しますと、床下の環境を室内と同一環境にする事によって床下の湿気対策を克服しています。強制的に床下に空気を送り込んで室内の環境と床下の環境を一体にする事が必須条件となるのです。その他土台や外壁の構造にこまごまと条件がつきますので、床断熱と比べて建物の総工費が割高となります。

●基礎断熱のメリット
では、割高な基礎断熱が何故注目されているかと云う話しになりますが、折角空気を強制循環させるのならば、ベタ基礎のスラブ面(基礎の床面)を蓄熱層として利用してしまえと云うのが基礎断熱の発想です。コンクリートは熱容量が大きく、熱を溜め込む事ができます。地中温度は年間を通じて16℃と一定です。夏場はひんやりと冷たく冬はほのかに暖かい状態です。その地熱をコンクリートに溜め込んで、室内も地熱の恩恵に蒙ろうと云うものです。石油や電気に比べればごくささやかな熱量ですが地熱はタダです。有効に使わなければもったいないです。

●費用対効果を優先させる
建物と云うのは全て費用対効果が問われます。限りある予算を何処に配分していくかで、建物の良し悪しが決まります。床下の断熱以外に、自分のこだわりや思い入れがないのか、家族構成やライフサイクルも含めてどの様な家が自分達に合うのか、そう云った大きな視点から家造りを考える事をお勧めします。

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福味健治(一級建築士)

岡田一級建築士事務所

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