古代地図と軟弱地盤
●免震支承(装置)の構成
免震住宅は上部構造には、特別に細工する必要はありません。地面から土台までの目に見えない部分にお金を掛けることになります。文字通り「縁の下の力持ち」です。
地盤
地盤が固ければ特に何もする必要はありません。軟弱地盤であれば、柱状改良が必要となります。また、液状化する恐れのある地盤では、残念ながら免震住宅は建てる事は出来ません。
基礎
一般の基礎と違い、地中梁は必要ありません。耐圧版(ベタ基礎のベタの部分)と免震支承を載せる架台があれば、一応作動します。あとはメンテナンス用の点検ピットと床下に水や小動物が入らないための仕切りが外壁廻りに必要となります。一般基礎と比べ点検ピットが一工程増えてしまいますのでその分割高になります。
免震支承
支承とは架台または装置を示す言葉です。橋梁の柱脚にあるピンを支承と呼ぶところから、専門的には免震装置と呼ばずに免震支承と呼びます。
鋼製架台
免震支承の上に直接土台を敷いて、建物を建て始めても良いのですが、土台の剛性確保のために返って不経済になりますので、鋼製架台で剛性を確保した後に、土台を敷いて家を建てて行きます。
フレキ配管
給排水・ガス・電気設備等、外部から出入りするライフラインは建物が揺れた際に破断しない様に余裕をもって弛ませる必要があります。曲がらない塩ビパイプ等で施工することも出来ません。
●コストダウンの方法
地盤
地盤の良好な土地を選択することです。費用的地盤改良は70万円前後しますので土地代として前もってその程度の金額を念頭に入れて土地購入を目指すことです。免震住宅でなくても地盤改良は必要です。
基礎
コストアップの要因はコンクリート打設がピット・耐圧版・免震支承架台と3工程になることです。コンクリート量は増えますが、ピットと耐圧版を同時に打設する方が経済的です。また、ピットは工事中に雨水が溜まりますので、排水ピットを設ける必要があります。
免震支承
建物の形状によって、免震支承の数量が大きく異なります。平面プランをなるべく正方形に近い長方形にまとめ、大きい延べ床面積が必要な場合は、総二階のプランにすることです。基礎から土台下までにお金が掛かるのですから、一階床面積を出来るだけ抑えることです。極端な云い方をすれば免震住宅に限っては、二階をオーバーハングさせる様なデザインにしても面白いでしょう。
鋼製架台
剛性を確保する為に鋼材を使用しなければならない部分は支承を結ぶラインのみです。直接支承とは関係の無い鋼材は極力省く様に設計します。
フレキ配管
フレキ配管を使用する場所を出来るだけ一箇所にまとめる様配置することです。
●一般的な免震装置の価格
免震住宅にするための一般的な費用は下記の通りです。
基礎¥500,000-(一般基礎との差額)
免震支承¥1、800,000ー
鋼製架台¥3、000,000-
フレキ配管¥200,000-
この他にも初回のみ工務店さんには免震装置加盟料1,500,000-技術指導料500.000-が必要となり、合計で¥7,500,000-程度の出費となります。
加盟料と指導料は一回限りの費用ですので、¥5,500,000-+加盟料及び指導料の何割か、が実際の費用となります。
●コストダウンの効果
前述のコストダウンを図りますと
基礎¥200,000-(一般基礎との差額)
免震支承¥1,500,000-
鋼製架台¥2,000,000-
フレキ配管¥100.000-
合計¥3,800,000-程度に収まります。その他上部構造部も一般の耐震住宅ほど構造に費用が掛かりませんので、まだ安くなります。