断熱材は省エネに重要ですが、断熱材の良否で全てが決まる訳ではない。
●断熱効果の指標
充分な断熱かどうかの目安を次世代省エネ基準に置いています。それに地方・地域の特性を加味しながら、断熱方法や断熱材を決定していきます。
建物によく陽が当たる場所でも、窓の仕様が充分であれば、Q値計算を行うとグラスウール16k100mm程度の断熱材でも次世代省エネ基準をクリアするかも知れません。
●次世代省エネ基準の限界
エコ住宅の発想は寒い国から発展してきました。冬の寒さを如何に克服するかが課題だったのです。寒さは、外気に面する屋根・壁・窓から均等に、出入りします。熱貫流率の割合によって出入りする熱量は変りますが、条件が同じだと同じ割合で出入りします。寒さだけを考えればこれで充分なのですが、夏場はそれで良いのでしょうか?
●省エネは夏場対策も重要
暑さ対策を考慮しないと、夏場の二階は相当暑くなってしまうことが予想されます。屋根裏部屋は多分サウナ状態でしょう。納戸としての利用するなら問題はありませんが、人が居室として利用されるのであれば、全く不十分です。
夏場の屋根面が受ける熱量は、全外壁面が受ける熱量の三倍あります。壁面を100mmのロックウールで覆えば、屋根面(天井面)は300mmのロックウールを充填して丁度吊り合いが取れる計算です。
●熱の出入りの最も激しいのは窓と換気
また、熱の出入りの30~40%は窓からのものです。窓の遮熱・断熱にも注意しましょう。二重窓やペアガラスを用いて、出来るだけ熱の出入りを抑えることです。Low-Eガラスも効果があります。
また、断熱材を幾ら高価なものを用いても、隙間だらけでは効果が半減します。窓を開けながらストーブを焚いている様なものです。
●アイデア次第でお金を掛けなくても省エネ出来る
予算の都合で、どうしても充分な断熱が出来ないのであれば、屋根の仕上げ材を瓦やカラーベストより安価な折板屋根を選択します。浮いたお金で天井面のロックウールの厚みを2~3倍にします。
折板屋根は_/ ̄\_/ ̄\_の様な断面形状をしていますので、山の部分が通気層の役目を果たし熱気を効率的に屋外へ排出してくれます。