津波に抵抗出来ない建物

福味健治

福味健治

テーマ:【免震住宅・地震対策】


三月に入ると、やはり東日本大震災の映像を多く見ます。昨晩もNHKで地震と津波の映像を放映していました。
●津波に弱い木造住宅
建物の倒壊映像も然ることながら、津波の映像は何度見ても建築士として無力感を感じてしまいます。津波の勢いで押し流されている建物も多くありましたが、比較的緩い流れにも水嵩が増すにつれ流されてしまう様子も残っていました。
木造の住宅は凡そ40ton前後の重量があります。この家が水に浮くのですから、家の中の空気が浮き輪の役目をしたと思われます。基礎と土台が残り床から上が流されています。
新しい家は柱と土台をホールダウン金物で繋いでいますが、一本で引き抜きに耐えられる力は多くて3ton程度です。40tonの家が浮くのですから一件の家に14~5本入っていれば浮き上がるのを防止出来た可能性がありますが、通常は4~5本も入っていれば多い方です。



●鉄筋コンクリート造は安心か?
東日本大震災ではRC造の建物も倒壊しています。これも津波での倒壊でした。画像を注意深く見ていますと、PC杭が引き抜かれているのが判ります。地震で杭が折れ、その後に津波の圧力で押されて倒れた様な状態です。

今、建築基準法には津波に対する基準が何もありません。津波に対しては無抵抗なのです。津波の危険性のある場所には家を建てるべきではありません。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

福味健治
専門家

福味健治(一級建築士)

岡田一級建築士事務所

どうして良いか判らない貴方の為に、私はここにいます。まずは、お友達になりましょう。そして悩みや夢を語り合いましょう。理想の家造りはそこから始まります。私は友達を裏切りません。無料相談大歓迎。コラム必見

福味健治プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼