ローコスト住宅の手法(簡単に手に入るものを利用する)
数年前にお施主様の要望で、パイン材・ドア材・樹脂サッシュ・OSBボードをカナダから個人輸入で購入しました。個人輸入のメリットは、商社を介入させませんのでその分安く入手出来ます。メリットはほぼそれだけです。
デメリットは、安い船便を使うと商品が1~2割り程度傷みます。その分前もって多めに購入する必要があることです。サッシュ・ドア等数量が決まっている商品は多少の傷は目を瞑る事になります。また、コンテナ単位で購入しないと運賃が割高になります。
航空便は輸送費が船便に比べ割高ですが、それより驚いたのは日本に到着してから現場に運ぶまでの運送費の方が高くつくことです。
私は検討の末、航空便を選択しましたが、知り合いからトラックを借りて自分で現場に運びました。勿論税関手続きも全て個人で行う必要がありますが、こちらは初めから素人であると宣言してしまえば、係員が手続き方法を丁寧に教えてくれます。
単品を輸入するのであれば、あまり気にする必要はありませんが、色々な物を合わせて輸入すると、保管場所も必要です。野ざらしにすると傷む製品は倉庫が必要になります。
こう云った苦労をいとわなければ、安く手に入れる事が出来ます。初めに海外のホームページを覗いて日本語対応OKのサイトを見つける事です。私はカナダのマダワスカと云う建材メーカーに依頼しました。費用は常に先払いです。入金確認後荷物の発送となります。製品そのものは仕上げ精度において日本製品に劣るものの、性能については充分満足出来るものでした。特にサッシュの性能はカナダの厳冬期にも対応してますので、大阪で使用するには充分でした。
あと施主支給に対してですが、これは工務店さんの協力が不可欠です。本来、工務店さんの仕事は施工管理です。下請けさんを束ねて施工の工程・原価・精度を管理するのが工務店さんの役目です。その為に管理費、諸経費の項目が見積もり書にあるのですが、建築主さんも無理解で、管理費・諸経費は値引きシロ程度にしか考えていません。
ですので、現状では下請けさんから上がってくる見積り書に自分の経費を上乗せしたカタチで見積り書が出来上がってしまうのです。現状の工務店さんは施工管理業ではなく、建材卸し問屋と変らなくなっています。
プライドを持って施工管理に当たっている工務店さんであれば、「管理費・諸経費をしっかり払うから、施主支給を認めてくれ」と頼めば断る理由が無くなってしまいます。
結果的には、工務店さんがどれだけ理解を示してくれるかと、自分が仕事を休んで輸入手続に奔走する労力が、下がった建設費に見合うかどうかの判断です。
参考事例
http://www.jin.ne.jp/oado/nairannkai.html