木造住宅ではどれ位の空間を確保出来るか
基礎の値段は工賃と材料代に分類されます。
工賃は、土を掘ったり鉄筋を組んだりする手間賃です。
材料代は、コンクリート・鉄筋・仮枠と云った材料代です。
阪神大震災以後、木造住宅の基礎はベタ基礎が主流になりました。地盤が軟弱であればベタ基礎は必須です。べタ基礎は布基礎に比べて値段は1.3~1.5倍するのが欠点です。
なんとかベタ基礎を安く出来ないか色々実験しています。逆スラブもその一例です。
従来のベタ基礎は、耐圧版(スラブ)と地中梁(立ち上がり)に分けられます。耐圧版で建物全体の重量を支え、地中梁で曲げ応力に抵抗しています。この二つは外せません。しかしこのままでは安くなりません。
そこで考えたのが逆スラブです。基礎の値段は土を掘り場外へ土を運び出して捨てるのにお金が掛かります。残土捨て場が遠いほど費用が掛かってしまいます。掘った土を場外に捨てず基礎の中に戻してしまえば、捨てる費用が不要となります。基礎の中に戻す為に地中梁とスラブの位置を逆転させるのです。
立ち上がりを先に造って、後でスラブを造って、その上に土台を据えると上の写真の様になります。仮枠も外側だけ囲えば中の仮枠は必要なくなり、仮枠代も軽減できます。
仕上がりは従来通り、フローリングも出来ますし、タタミも敷けます。それどころか従来では割れてしまって施工出来なかった、タイル張りや石張りも可能になります。
コンクリートの上に直接住むのは足元が冷えて、辛そうに思いますが、マンションの一階の床の構造と全く変りません。それどころか、地熱を利用することも出来ます。地中の温度は年間を通じて16℃と一定です。夏の16℃は涼しいですし、冬の16℃は暖かいです。その温度を常に地中から享受できます。